【神戸】扇原貴宏が古巣横浜戦での勝利へ「自分たちに集中」も相手状況には「正直ショック」
ヴィッセル神戸は21日にアウェーで横浜F・マリノスと戦う。
19日は神戸市内のいぶきの森球技場で公開練習。17日のガンバ大阪戦で劇的勝利を飾り、連敗を止めたこともあって、選手たちは良い雰囲気でメニューを消化。G大阪戦で途中交代したFW宮代大聖(24)も軽快な動きで不安を払拭した。その中で2日後に古巣との対戦を控える監督と選手は、次戦に向けての強い気持ちを口にした。
6連敗で10戦未勝利と苦しい戦いが続く横浜との対戦となるが、油断をするような雰囲気はみじんも感じさせなかった。
99年からと06年から、それぞれ2シーズン選手として横浜に所属した吉田孝行監督(48)は「まずは自分たちが1勝しただけで満足せずに、毎試合同じことを続けられるかというのが大事なこと。マリノスのメンバーを見ても、優勝できるだけの個の力って持っていると思うし、歯車が今ちょっと狂っているだけだと思う。危険な相手というのは変わらないし、こういう時だからこそ向こうも強い気持ちでやってくると思うので、自分たちが強い気持ちで臨まないといけない」と集中。過去に神戸で似た状況を経験していることもあり「必死に来るでしょう」と警戒を強めた。
17年から5シーズンプレーし、19年には横浜でリーグ優勝も経験したMF扇原貴宏(33)は「今はマリノスのことを気にするほど、自分たちも良い順位にいるわけではない」としながらも、「正直ショックではある。本当にいいクラブでいい選手、いいスタッフがいて、在籍してそれを身に染みて感じているところがあるので…」と率直な思いを口にした。それでも直接対戦となれば、話は別。全てを神戸に注ぐ男は「僕たちは優勝目指してやるだけ。マリノスは自分たちの力を出せたらすごい脅威になるチーム。どの試合で爆発してくるかわからないし、勢いに乗らせないように、自分たちに集中することだけを考えたい」と話した。
MFエリキ(30)も横浜でのプレー経験がある選手。19年夏から1年半所属した相手との対戦を前に「勝つことに徹することが必要。自分の今の心は神戸にある。(横浜時代に)神戸戦で決めたことがあるので、今回は逆の立場で決めたい」と話し、2戦連続弾に意欲を見せた。
神戸には他にもDF広瀬陸斗(29)、DF小池裕太(28)、GKオビ・パウエル・オビンナ(27)と横浜経験のある選手がいて、横浜アカデミー育ちのMF汰木康也(29)もいる。さまざまな思いを抱きながらの戦いになることが予想されるが、扇原は「自分たちらしいサッカーを立ち上がりから出すことが大事。ハードワーク。そこに尽きる」。あくまで神戸らしさを徹底することが必要だと強調し、連戦に備えた。【永田淳】