仙台育英対東北学院 2番手で登板した仙台育英・梶井(撮影・木村有優)

<春季高校野球宮城大会:仙台育英8-1東北学院>◇19日◇2回戦◇仙台市民球場ほか

秋春連覇に向け、7回コールド勝ちで好発進を切った。元遊撃手の背番号「10」、梶井湊斗投手(2年)の好救援が流れを引き寄せた。

1-1の3回無死一、二塁のピンチで登板。「緊張はありませんでした」と進塁を許さず、後続を3人で切った。地区大会では背番号「11」。須江航監督(42)は「背番号を繰り上げた梶井が、期待通りの活躍をしてくれました」とうなずいた。

梶井は3月に投手転向。中学では投手と野手を兼任していたが、高校では野手でのプレーを選択。昨秋は背番号「15」でベンチ入りするも、同宮城大会は途中出場の1試合にとどまった。「野手としてスタメン出場するのは厳しいのではないか…」。

そこで決断した投手転向が、功を奏した。この日は最速146キロに迫る145キロの直球と、4種類の変化球を用いた緩急ある投球で、4回1安打8奪三振。「投手として勝利に貢献できてうれしいです」と笑顔をみせた。

制球力には自信ありだ。「近年まれに見る安定感です」と指揮官のお墨付き。この安定感はルーティンにあった。登板前日はノースロー。代わりに、側転などの器械体操を行っている。梶井は「ウエートよりも、体を動かす方が安定感が増すので、試合前日は体を動かすことをメインにしています」と話す。

「日本一のチーム内競争」はもちろん、投手陣にもある。エース吉川陽大(3年)を筆頭に紡がれている「投手王国」。梶井は「吉川さんから絶対に背番号『1』を取ってやるという気持ちはあります」と貪欲。「そのために、今やっていることを継続して、安定感などでもう1つ、厚い信頼をつかみたいと思います」と口にした。

仙台育英の強さのひとつは、この競争力。夏王者の奪還に向け、まだまだ強さを追い求めていく。【木村有優】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 仙台育英、秋春連覇へコールド発進 元遊撃手の梶井湊斗が4回8奪三振の好救援