【阪神】藤川監督、7回追いつくも勝ち越せず「ベース際の…。誰かが突き破らなければ」
<阪神2-4広島>◇16日◇甲子園
阪神が広島との首位攻防3連戦の初戦に競り負け、首位から陥落した。
7回に同点に追いついたが、9回に守護神の岩崎優投手(33)がまさかの2失点で今季2敗目を喫した。それでも低調だった打線は底入れ気配。17日に反撃し、首位を再び奪回する。
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粘れなかった。阪神が5日から守ってきた首位から陥落した。2-2の同点で迎えた9回。岩崎がマウンドに立った。先頭末包にはファウルで粘られて四球。2死二塁で迎えたモンテロに前進守備の近本の前へ落ちる中前打を許した。近本から中野に経由した送球はそれ、二走大盛の生還で勝ち越し点を献上。さらに続く矢野に適時二塁打を許し、静まりかえったスタンドを背に、背番号13は今季初の屈辱の途中降板した。
「戦う姿勢を崩さずにやっていきます」。守護神は表情を崩さずに言葉を絞った。次戦以降でのリベンジを胸に秘めた。
2試合連続完封の村上が初回2失点の誤算。6回まで無失点投球を続けた広島森下を7回に捕まえた。先頭佐藤輝からの3連打で反撃の1点。木浪の同点打で追いついた。藤川監督は、「必ずどこかでそういう展開はありますから」と、想定済みも、野球の神様は試練を与えた。続く1死一、三塁で代打楠本をコール。カウント2-1からの4球目。森下のカットボールを跳ね返した打球は一塁線へ。モンテロが捕球して、一塁ベースを踏むと、ゴロゴーで本塁を狙った前川が三本間で挟まれ憤死した。
「ベース際の…。この前から多いですけどね。誰かが突き破らなければいけないというところですね」。運を味方につけられなかったことに指揮官は、表情を変えることなく振り返った。
広島との首位攻防戦の初戦を落とした。この3戦は2敗1分けで、0・5差の2位に転落した。指揮官は「各自が分かっていると思いますから、また明日ですね」と言葉を締めた。気持ちを切り替え、すぐさま逆襲へ。再び首位奪回だ。【伊東大介】