広島対巨人 5回、ソロ本塁打を放ったリチャードはファンのコールに応える(撮影・上田博志)

<広島5-4巨人>◇13日◇マツダスタジアム

2年前の夏から、リチャードの顔つきが変わって見えている。当時のソフトバンクはAクラス争いの真っただ中。北の大地エスコンフィールドでグラウンドを見つめながら「僕が打てば雰囲気が変わる。チームに与える影響があるのは分かっている」とおもむろに発した言葉が忘れられない。「ロマン砲」と言われて久しい大男は自分の影響力を自覚していた。

1軍の実績はない。ソフトバンク時代の推定年俸も1000万円だった。だが周囲の期待値だけはうなぎ登り。おまけにSNSには心ない言葉もあった。温和で天真らんまんに見えるリチャードだが、チーム内含め周囲のあらゆる声と戦っていたのは事実だ。自身特有の魅力に気づいていたからこそ。

巨人には起爆剤として移籍した。リチャードはあの夏と同じことを思っているはず。この日のアーチは覚悟の結集だ。新天地で飛躍してほしい。【ソフトバンク担当=只松憲】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【とっておきメモ】巨人リチャード、顔つきが変わって見えた2年前の夏の出来事