日本ハム対オリックス 7回表オリックス2死三塁、若月を三振にとり叫ぶ伊藤(撮影・黒川智章)

<日本ハム7-0オリックス>◇13日◇エスコンフィールド

日本ハム伊藤大海投手(27)が8回4安打無失点と力投し、前回登板まで4勝で並んでいたオリックス九里亜蓮投手(33)に投げ勝ち、リーグトップタイの5勝目を挙げた。奪三振数も56に伸ばし、西武今井を抜いてリーグトップに立った。今季、チームとして九里に3戦3敗だったが、4度目の対戦でエースが連敗を止めた。今季最長の5連勝で、2位オリックスとのゲーム差を2に広げ、貯金も今季最多7に増やした。

   ◇   ◇   ◇

伊藤“先生”が野球の素晴らしさを、目いっぱい伝えた。教育旅行や課外活動などの学校単位での観戦客も想定した、3日連続平日デーゲームの初戦。お立ち台では「間違いなく日本で一番熱い平日の昼間を過ごしたのは、ここにいるみなさんだと思いますので、あしたも熱い熱いご声援、よろしくお願いします」。熱狂する制服姿の若者たちにタフな投球で応えて見せた。

圧巻は6回だ。1死一、三塁で首位打者の太田を低めのストレートで見逃し三振に切って取った。2ストライクと追い込んでからの4球目は、外角へのストレートが小さく変化し真ん中低めに滑り込んできたが、太田は動けなかった。伊藤は「逆方向に打つのがうまい選手。外にスライスしていくより外から(中に)フェードさせたいと。バッターは今までにない軌道だったかなと」。相手の裏を突く絶妙な1球で、試合の流れを手放さなかった。

6日に対戦した相手との再戦。前回は7回6安打1失点で4勝目を挙げたが、“引き出し”は残した。ストレート主体だった前回を踏まえ「ある程度まっすぐを意識してくれていたというのが今日はあった。追い込んでから、いろんなボールで勝負できた」。リードした伏見は「連戦は前回勝っていても難しい。でも今日はスライダーとスラッターが良かった。要所でギアを上げたときの真っすぐが、また良かった」と、今度は変化球ベースの投球で翻弄(ほんろう)した。

11日楽天戦では昨季台湾MVP腕の「火球男」古林睿煬が、伊藤に学んだスライダーを生かしプロ初完封。伊藤は「ファーストストライクの重要性だったり、イニングの先頭打者の打ち取り方だったり、学ぶ部分はたくさんある。これからも切磋琢磨(せっさたくま)していい関係性であれば」と相乗効果を期待した。

今季ホーム初勝利に「ここで生まれ育ってきて今まで野球をやってきた。北海道で勝つ1勝は格別。これからも1勝1勝積み重ねてたくさん勝ちたい」。6連戦の大事な初戦で、道産子エースがしっかり流れをつくった。【永野高輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】伊藤大海、リーグトップタイ5勝目 「北海道で勝つ1勝は格別」今季ホーム初勝利