【G大阪】10人で敗戦も3バックの新オプションに手応え 後半から急造布陣で広島ゴール脅かす
<明治安田J1:G大阪0-1広島>◇11日◇第16節◇パナスタ
前半に退場者を出したことが響いて4試合ぶりの黒星を喫したガンバ大阪だが、その中でも3バックで戦う新オプションを手にした。
4-2-3-1のシステムで試合に入り、前半22分に10人となってからは4-4-1で戦っていたG大阪が、新たな形を見せたのが、0-1の後半開始から。3バックにDF半田陸(23)、DF中谷進之介(29)、DF福岡将太(29)が入り、中盤はアンカーMF倉田秋(36)の1列前にFW満田誠(25)とMFファン・アラーノ(28)。ウイングバックの右にDF岸本武流(27)、左にDF黒川圭介(28)を配し、最前線にFW山下諒也(27)を置く3-1-4-1とも見える形とした。ダニエル・ポヤトス監督(46)はこの布陣を「前に速い選手、(黒川)圭介と(岸本)武流をワイドに置いて、パスを出せることと速さを求めた。ビルドアップはセンターバックの近くに倉田秋を配置して、中谷、福岡にビルドアップの責任を持たせた」と説明。「退場者が出た時の練習(を事前にするのは)はなかなか難しいもの」と、事前に準備してきたものではなかったと明かしたが、この形が効果的に流れを変えた。
配置変更に加え、3バックからの攻撃参加が状況を動かすことになった。「3バックになった時に誰かが攻撃参加しようという話をしていた」という福岡の言葉通り、マイボールになった際には半田、中谷、福岡が次々に長い距離を走ってオーバーラップ。リスクを負うことで局面で数的優位や同数の場面を作り出し、広島ゴールを脅かす回数を増やした。後方にスペースを空けることがあっても、半田を筆頭に広い範囲をカバーし、広島に追加点を許さなかった。
最後まで同点とすることはできなかったが、この戦いには一定の手応えを得ることができた。終盤の攻め上がりで左クロスも入れた福岡は「1つのオプションとしてポジティブに捉えられるところはある」。あくまで急造の形ではあったが、再び同様の状況となった際に使える形を得られたことは、今後につながるものになる。【永田淳】