金村尚真

<日本ハム-楽天>◇10日◇エスコンフィールド

日本ハム金村尚真投手(24)が今季2度目の「投げ抹消」となった。9日楽天戦(エスコンフィールド)では9回7安打1失点の完投勝利で3勝目。シーズン1~3勝を完投(完封含む)で挙げるのは、球団では07年ダルビッシュ以来(完投→完投→完封)だった。そんな快記録を残した右腕の出場選手登録を潔く抹消できるのも、1軍投手陣を預かる加藤投手コーチが「はぁ、どうしましょうかねぇ…」と先発ローテ編成に悩むほどレベルの高い先発投手が豊富にいるからだ。

今季の日本ハム先発陣は、9日楽天戦までに先発した8投手全員に白星が付いている。開幕ローテーション(金村→加藤貴→バーヘイゲン→伊藤→北山→山崎)に入った6投手に加えて、新戦力の台湾の「火球男」こと古林睿煬(グーリン・ルェヤン)と達が結果を残した。ここまで6連戦が1度しかない、ゆとりのある日程だったこともあり、中6日の登板間隔を続けるのは伊藤だけ。加藤貴と山崎もすでに「投げ抹消」が1度ずつあるなど、シーズン中盤以降を見据えて余力を保てる先発ローテ編成ができている。

さらに2軍で好成績を残す細野も9日から1軍へ合流した。13日からのオリックス3連戦(エスコンフィールド)で“先発9人目”となる見通し。その細野の登録枠を空ける必要性もあった。投手起用を加藤コーチに任せている新庄監督も「(金村の今季の登板成績が)良い、悪い、良い、悪い、良い、悪いで昨日は良かったでしょ。だから、ちょっとその良い悪いの『悪い』を(飛ばすように)帳尻を合わせて抹消して『良い』に持っていく考えじゃないですか」と話したように、ここまでリーグトップの3完投の金村には再びじっくりと調整させることを選んだ形だ。

ちなみに加藤投手コーチの“うれしい悲鳴”は、金村が「投げ抹消」となった代わりにスポット先発した達が、今季初勝利を挙げた4日西武戦の試合後に吐露したもの。達の次回1軍登板のチャンスを確約した上で、豊富な先発の駒をいかに適材適所に配置するか。最後に決める基準は「実績関係なく、やっぱ調子がいい勝てるピッチャーを使っていきたい」。隙を見せられない先発陣が刺激しあう相乗効果も狙いながら、原理原則に従うつもりだ。

今後は6連戦も増えてくる。今回の金村の「投げ抹消」で細野も結果を残せば、加藤投手コーチのうれしい悩みは深まるかもしれないが、チームとしてはさらに先発陣の層が厚くなる。そして大局を見れば、余力たっぷりの先発陣は今後やってくるだろう勝負どころで大きな強みとなりそうだ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】金村尚真が今季2度目の「投げ抹消」 ゆとりある先発ローテ編成をできる理由とは