【柏】スーパーサブ細谷真大が完璧ゴールで真価「短い時間だからこそ集中」首位鹿島と勝ち点1差
<明治安田J1:柏2-0岡山>◇10日◇第16節◇三協F柏
柏レイソルFW細谷真大(23)がスーパーサブとなり、堅守岡山の壁を破った。後半15分から出場すると同31分に先制点を挙げ、2-0の勝利へと導いた。FWの先発争いが激化する中、背番号9を背負うエースが真価を発揮。今季3点目が決勝点となり、チームは3連勝含む10戦負けなし。首位鹿島に暫定で勝ち点1差と迫り、2位を堅持した。
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真打ちの一撃に、柏の聖地・日立台が沸き上がった。後半31分、MF小屋松がドリブルで持ち込むと、細谷はボールから離れ、相手DFの死角へと潜り込んだ。絶妙のパスが足もとに来る。正確なコントロールから右足を振る。ゴール左隅へシュートを決めた。今季最多の7完封を誇る岡山GKブローダーセンの牙城を崩し、黄色で埋め尽くされたスタンドを歓喜させた。
「足もとに欲しいという合図を送った。いいボールが来たし、ファーストタッチもうまく置けた」。完璧なゴールに満足そうに笑顔を見せた。決して万全ではなかった。前節・清水戦は発熱による体調不良で練習ができず、ベンチから外れた。この日もベンチスタートとなったが「短い時間だからこそ集中して得点することに意識を持っていけた」。昨年のパリ五輪でもエースとして活躍した男の勝負強さは別格だった。
柏は3連勝で10試合負けなし。好調の要因について細谷は「チーム内の競争が激しくなっている。それが結果に結び付いている」。特にFWのポジション争いは激化する。細谷は14試合の出場で先発は5、サブは9とベンチスタートが多くなっている。1トップにはサイズを生かした献身的なプレーの187センチの垣田がおり、得点も4。同じく190センチの長身で2得点の木下も控えている。
FWに限ったことではないが、ロドリゲス監督は「誰が出てもやれる」と胸を張る。タイプの異なる選手が相手や試合展開に応じ、ゲームチェンジャーとなる。細谷は「もちろんスタートから出たいですけど、状況によって理解している。途中からだと明確に得点にフォーカスできる」。エースがベンチに回るバリエーションとチームの一体感こそが、好調・柏の要因となっている。【佐藤隆志】