エンゼルス戦で力投するオリオールズ菅野智之(AP)

<エンゼルス1-4オリオールズ>◇9日(日本時間10日)◇エンゼルスタジアム

【アナハイム(米カリフォルニア州)9日(日本時間10日)=久保賢吾】「This is Tomo」。オリオールズ菅野智之投手(35)が、自己最長の7回1/3を3安打1失点5奪三振の好投で今季4勝目を挙げ、チームの連敗を5で止めた。「価値ある1勝だったと思います。チームがつらい時とか、なかなか流れに乗れない時に、こういう仕事ができるのはうれしいです」とかみしめた。

日本で築き上げた「王道スタイル」で凡打の山を築いた。象徴的だったのは8回先頭で左打者のレンヒーフォを迎えた場面。内角のカットボールでファウルを打たせ、内角のボールゾーンへのスイーパーで二ゴロに抑えた。巨人時代の武器の1つで、スイーパーの精度向上とともに解禁。「スイーパーが良くなって幅が出てきましたし、今までない攻めをできたので良かった」と手応えを示した。

多彩な投球術で的を絞らせなかった。序盤は右打者にスイーパーなど曲がり球を多投し、中盤以降はメジャーで絶賛されるスプリットを有効に投球。2回にはダーノーをカット、スイーパーで追い込んだ後、3球勝負で速球を投じ、空を切らせた。「変化球をマークしてる中でアドリー(ラッチマン)もうまく配球してくれて、いろんな引き出しができてるんで今後につながる」と先を見据えた。

巨人時代から連敗ストッパーで知られるが、投手としての能力の高さはもちろん、試合の流れを読みながら投球できるのが強み。打線が得点した1、2回の裏は3者凡退に封じ、7回無死三塁のピンチでは「変に1点やらないっていう気持ちだと2点目、3点目になるので、1点あげる気持ちで」と遊ゴロを打たせ、最少失点に抑えた。「このチームはこんなもんじゃないと思うので、ここからいい流れになっていけば」とア・リーグ東地区最下位からの浮上を誓った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 「This is Tomo」菅野智之4勝目、多彩な投球術「スイーパー良くなって幅が出てきた」手応え