オリックス対日本ハム 12回裏オリックス1死、負傷退場する生田目(中央)と新庄監督(撮影・上田博志)

<オリックス2-2日本ハム>◇7日◇京セラドーム大阪

日本ハム新庄剛志監督(53)が、プロ野球タイ記録となる1試合に10投手をつぎ込み、今季初のドローに持ち込んだ。先発の山崎が5回無失点で降板。好調なブルペン陣がバトンをつなぎ、延長12回には生田目が右足を痛めると、最後の1人、玉井が試合を締めた。野手陣もベンチに残ったのは田宮だけ。総力戦で首位オリックスとの3連戦を1勝1敗1分けで終えた。

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首位相手の激闘は延長12回の末、ドローに終わった。日本ハムは延長12回に生田目が一塁ベースカバーに入った際、右足を痛めて緊急降板。ブルペンに残っていた最後の1人、玉井が急きょ登板し、後続を抑えた。投手10人起用は22年9月19日のソフトバンク以来6度目のプロ野球タイ記録で、球団としては74年9月29日南海戦以来51年ぶり2度目の“総動員”となった。

10回にはベテラン宮西がチームを鼓舞した。1死一、二塁のピンチで登板。若月に安打を許し満塁とされたが、森を空振り三振、頓宮を捕邪飛に打ち取り、切り抜けた。新庄監督は「素晴らしかったね」。宮西は「ああいうところが今の仕事。しっかり結果が出たのは良かった。1人走者が出ても、監督が“OK、OK”ってジェスチャーしてくれていたので、切り替えて。腹をくくったって感じでした」と振り返った。

鉄腕からバトンを受けた11回の福谷は、先頭の中川の打球が右前腕部を直撃するも続投。「前の回に宮西さんがすごい投球をしていて。それを画面で見ていて、あおられた。もう気持ちだけでいこうと。後は(捕手の伏見)寅威に任せて腕を振りました」と、無失点でつないだ。

アクシデントがあった最終回には、新庄監督の珍プランが、遅くまで残って応援していたファンを沸かせた。生田目の負傷直後、三塁の奈良間に声をかけると、奈良間はマウンド付近に伏見を座らせ投球練習を始めた。スタンドからは拍手も起こった。玉井にアクシデントがあった場合の対応策。指揮官は「コントロールいいから。7種類ぐらいの球種もってるから。(昨季、一丁締めで使った言葉から)お疲れさまどぇ~す投法が、見られなくて良かったです」。奈良間も「(実現したら)小学生以来でした。出番がなくて良かったです」。全力で首位に食い下がってつかんだドロー。この粘りを、次は勝利につなげる。【永野高輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】新庄監督が珍プランで最終回沸かす プロ野球タイ1試合10投手総動員でドロー