巨人対阪神 巨人に勝利しヒーローインタビューを受けた森下はコイのぼりを手に笑顔を見せる(撮影・加藤哉)

<巨人1-10阪神>◇5日◇東京ドーム

子どもたちのヒーローだ! 阪神森下翔太外野手(24)が2戦連発の4号ソロを含む4安打4打点と暴れ回った。チームは5月5日の「こどもの日」に15年から引き分けを挟み9連勝と無敵状態。同日は宿敵巨人にも5連勝となった。今季は開幕から東京ドームで4戦4勝と負けなし。子どもたちも詰めかけたドームで13安打10得点と猛虎の勢いが止まらず同率首位に浮上した。

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確信弾だった。先制された直後の4回2死。3ボールから巨人先発戸郷の150キロ直球を捉え、打球の行方を確認しながらゆっくりと歩を進めた。華麗なバット投げも披露。子どもたちに夢を届けるゴールデンウイークの2戦連発だ。

「タイミングを合わせて振ることだけ。その結果凡打になっても仕方ない。自分のスイングはできた」

第4号ソロで波に乗った。勝ち越し直後の6回2死二塁から貴重な追加点の右前適時打。7回2死満塁からは左前2点適時打、9回無死一塁からも左翼フェンス直撃の二塁打。5打数4安打4打点、1本塁打でチームの今季初2桁得点に貢献した。「やるべきことを自分の中でやっている」。今季3度目の4安打で打率3割3分6厘、42安打。打率はリーグトップをキープし、安打数では1位タイから単独1位となった。

「こどもの日」に大活躍の森下だが、実は今季の4本塁打すべてが両親の観戦時だ。2日からのヤクルト3連戦(甲子園)、そしてこの日も観戦。連日スタンドから見守る父と母に2試合連続弾を披露した。「今年行っている試合で全部のホームランを見られているので本当にありがたいし、うれしい」。母ゆりさんは、たくましい姿を目に焼き付け喜んだ。

幼少期、5月5日は家族と過ごす日だった。少年野球が休みになることが多く、旅行をする機会としても活用。行き先はアスレチックなど体を動かせる場所も多かった。さらにその上で練習も実施。野球に没頭した子どもが、大人になって連休に躍動した。父善文さんは「もう親孝行は通り越していますね。それ以上のことをやってもらっている」と感謝。孝行息子に目尻を下げる。

現12球団となった05年以降、チームはこどもの日に通算で15勝3敗1分けと、めっぽう強い。森下はヒーローインタビューで「もっと野球の楽しみを覚えてもらえる活躍をしたい」。東京ドームで今季無敗の4連勝。直接対決を制し、巨人に並び再度、同率首位に浮上した。虎を引っ張る元野球少年が、今後も子どものヒーローになる。【塚本光】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】孝行息子・森下翔太「こどもの日」に4安打4打点1本塁打 今季4本塁打すべて両親観戦時