柏レイソルがPK戦制し10年ぶりV 稲田主将「2冠目指す」/チビリン全国小学生選抜サッカー
<JA全農杯チビリンピック2025 全国小学生選抜サッカー決勝大会【最終日】>◇5日◇神奈川・日産スタジアムほか◇8人制◇決勝トーナメント準決勝、決勝
柏レイソル(関東第3代表=千葉)が、15年以来10年ぶり2度目の優勝を果たした。準決勝でヴィッセル神戸(関西第1代表)を破り、決勝では九州勢で初優勝を狙ったサガン鳥栖(九州第1代表=佐賀)に勝利。トップチームさながらの「ボールを握る」攻撃を披露し、1-1で迎えたPK戦を3-2で勝ち切った。
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初優勝した10年前と同じPK戦。柏4人目のキッカー大友蓮月(6年)はボールに念を込めた。落ち着いて右隅へズバリ。右手の指をくるくる回しながら走りだし、高く跳び上がった。チームメートが駆け寄り、大きな輪ができた。「大舞台で決められて、優勝できてうれしい」とほほ笑んだ。
鳥栖とは今大会2度目の対戦だった。予選リーグ(L)で対戦し2-1で勝利。2日後に再び決勝で相まみえた。仙石廉監督(34)は「やりづらかった」と吐露。堅い守りを敷く作戦に苦しんだ。ただ、それを逆手に取った。0-1の第2ピリオド(P)6分、柴田海(6年)が約20メートルのミドルシュートを突き刺した。相手がプレッシャーに来ないと判断し「シュートに迷いはなかった」と左足を振り抜いた。約1分30秒前に、自身のクリアミスから先制点を許し「自分のせいで失点した。取り返す気持ちだった」と挽回した。
その後も、監督が「レイソルのフィロソフィー。ボールを握って主体的に攻める」と表現するスタイルを披露。GK浅井拓海(6年)がシュートも放つなど、積極的な姿勢はトップチームと似ていた。その要因を、指揮官は「スタジアムで見て影響を受けている」と分析。本拠地の三協F柏の横に、アカデミーの練習場もあり、週末は練習後にスタジアムへ。クラブが持つ強みを最大限生かした。
受け継がれる伝統はもう一つ。伊藤巧海GKコーチ(21)は10年前の優勝経験者。PKを止め頂点に導いていた。この日は、PK戦前に浅井へ「いつも通りプレーしてこい」と声をかけた。相手のミスを誘い、2度目の優勝を実現した。
5月下旬には、スペイン遠征でスタイルに磨きをかける。バルセロナ、マンチェスターCら世界のトップクラブが参加する大会に出場し、技術を盗む。主将の稲田晃大(6年)は12月の「全日本少年サッカー大会との2冠を目指したい」と宣言。柏の半年後の進化が楽しみだ。
準決勝、決勝の結果は以下のとおり。
▽準決勝
柏レイソル2-0ヴィッセル神戸
サガン鳥栖0-0(PK2-0)バディーSC
▽決勝
柏レイソル1-1(PK3-2)サガン鳥栖
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