昨秋県王者の新潟明訓、背番「10」辻林海7回無失点10K「真っすぐでどんどん」8回コールド8強
<春季高校野球新潟大会:新潟明訓8-0長岡大手>◇5日◇3回戦◇新発田市五十公野公園野球場
昨秋の新潟県大会優勝校、新潟明訓が長岡大手に8-0の8回コールド勝ちし、準々決勝に進出した。背番号「10」の辻林海投手(3年)が7回4安打無失点10奪三振の好投で流れをつくった。
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辻林がほえた。1回裏、長岡大手の攻撃を3者連続三振で抑えると、気合を入れるように大声を出した。「真っすぐでどんどん押していこうと思った」。最高の試合の入りで気持ちも乗った。10個の三振のうち見逃しは2個。130キロ台後半の直球を主体にテンポよく投げ込む。「試合のリズムを作ってくれた」と島田修監督(59)も納得の内容だった。
昨春の県大会、同じ3回戦、同じ五十公野公園野球場での開志学園戦に先発し、2/3で5安打4失点と1回も持たずに降板した。1年後、成長した姿を披露。冬場にフォームを見直し、テークバックを小さくした。「スムーズに投げられるようになった」と、それまで120キロ台後半だった最速は10キロほど上がった。
大阪出身で寮生活。寮の食事のない土、日は、栄養分を考えて外食を控え、自炊する。「得意な料理はブリの照り焼き」と笑う。そんな自己管理の成果が最終学年になって見え始めてきた。「夏までに最速145キロは出したい」。実力をもう1段アップさせる過程で春の県制覇を通過点にし、新潟明訓の13年ぶりの夏の甲子園出場を見据える。【斎藤慎一郎】