リーグ通算365試合出場を達成した新潟L上尾野辺(中央)

<WE新潟リーグ:三菱重工浦和0-1新潟L>◇4日◇第20節第1日◇浦和駒場スタジアム

新潟レディース(L)のMF上尾野辺めぐみ(39)が、アウェー三菱重工浦和戦でリーグ戦最多記録に並ぶ365試合出場を達成した。1点リードの後半33分、MF杉田亜未(33)に替わってピッチに立ち、ボランチの位置でゲームをコントロールした。試合はMF滝川結女(25)の2試合連発となる今季8得点目が決勝点となり、1月の皇后杯決勝で敗れた難敵を破って2連勝を飾った。

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後半追加タイム4分過ぎ、上尾野辺が自陣から大きく蹴り出したボールがタッチラインを割った瞬間、試合終了のホイッスルが鳴った。「攻撃より失点しないことが大切だった」。1-0の後半33分から中盤の底に入り、相手が狙う中央のスペースを正確なポジショニングでつぶす。試合を締める「クローザー」として2連勝に貢献した。

岡山湯郷などでプレーしたMF中野真奈美さん(38)が持つリーグ通算365試合出場に並ぶ日を間近に控えた4月30日の練習後。「ただただ、積み重ねてきた結果」と淡々と心境を明かした。「新潟でやってきたからこそですし、1チームで成し遂げられることはありがたいこと」。皇后杯決勝で敗れた相手に完封勝利。いい形でリーグ記録に並んだ。「達成感よりも、感謝の気持ちの方が強いです」。あらためて周囲への感謝を忘れなかった。

武蔵丘短期大から06年に加入し、気づけば新潟一筋20年目。「若いころは『自分が自分が』というスタイル。年上の選手に好きにやらせてもらっていた(笑い)」。歳を重ねて立場も変わった。「今は若手に伸び伸びとプレーしてもらいたい」。期待を込めてパスを送り続ける。

新潟Lでは多くの指導者のもとでもプレー。監督によってサッカースタイルが変わっても、常に重宝されてきた。

「大事に使ってくれた監督たちに感謝。しんどい時もあったが、監督あってのサッカー。その都度、できることにフォーカスしてやってきた」

長いサッカー人生で、プレーすることが嫌になった時期はない。「他リーグや自分の試合映像は一切、見ない(笑い)。だけど、やっぱりサッカーが楽しい」。次節11日のアウェー千葉L戦に出場すれば記録更新も通過点と捉えている。「できる限り頑張りたい」。日本女子サッカー界の「宝」は、まだまだ輝き続ける。【小林忠】

○…滝川が後半5分、FW新堀の縦パスに抜け出し、今季8ゴール目を左足で決めた。キャリアハイを更新し続けるアタッカーは「(相手に)隙はできると思っていた。ワンチャンスを仕留められたことはチームとしても個人としても成長を感じる」と胸を張った。残り2戦。「4位か5位か。1つでも上に行きたい」と連勝を伸ばしてシーズンを終えることを誓った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【WEリーグ】新潟L上尾野辺めぐみ「感謝」リーグ通算最多タイの365試合出場を白星で飾る