【阪神】伊原陵人、悔しいプロ初黒星「試合に負けた。それが全て。僕の責任」四球から暗転
<阪神2-5ヤクルト>◇4日◇甲子園
失望感にあふれたはずの客席から、大きな拍手が起きた。ベンチに歩く阪神伊原陵人(24)は満員のファンからのねぎらいを、うつむき加減で聞いた。自己最長の6回1/3 4失点。3度目の先発、9度目の登板でのプロ初黒星だった。
「負けているので、よくないです。僕がどうとかの話ではない。試合に負けたので、それが全てです。僕の責任だと思います」と厳しく自分を責めた。
投げ合う相手は21歳も上の石川。同じように小柄な左腕は全てのボールを思うように操っていた。少しタイプは違うが、ドラ1ルーキーは大投手と互角に渡り合っていた。初回からテンポよく、腕を強く振って、コースぎりぎりを突いた。4回に1点先取されたが、最少失点でしのいだ。藤川監督も「彼が作っていたゲーム」と言った。
6回終了で1-1。プロで初めて踏み入れた7回に落とし穴があった。1死から7番古賀を歩かせた。この日2つめの四球から、安打でつながれ、代打増田に「少し甘かった」という142キロ直球を打たれた。右中間を割られる2点三塁打。ちょうど100球で、交代の断が下された。
5回の打席ではイレギュラーバウンドで右前に抜けるプロ初安打を記録した。ベンチで、同学年の森下はじめナインがバンザイで喜んでくれた。「打つことも大事ですけど、投げる方で貢献できなかったのが一番悔しい…」。反省ばかりが先に立つ1日となった。
藤川監督も「勝負どころですからね。あのあたりを、今後に生かしてくると思いますから」と7回の踏ん張りを期待した。伊原は「いいボールもあったので、そこは継続して。今日出た課題をクリアにしていきたい」と誓った。へこんでいるヒマはない。払った“授業料”は無駄にしない。【柏原誠】