【ソフトバンク】広瀬隆太で最下位脱出「12連戦になる」異例“親子ゲーム”3連戦乗り越えV打
ソフトバンクが今季初の同一カード3連勝を飾り、最下位から脱出した。3-3の6回1死二塁、2年目の広瀬隆太内野手(24)が決勝の右前適時打。栗原陵矢内野手(28)の首痛による欠場を受け、急きょ代役三塁を務めた24歳が大仕事を果たした。9連戦最初の4月29日~5月1日は異例の“親子ゲーム3連戦”も敢行した期待の星。疲労を感じさせない働きでチームを波に乗せた。
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寝不足の3日間が報われた。クールな広瀬隆が一塁ベース上でほえた。「無我夢中でボールに集中しました」。本拠地の大歓声に加え、お立ち台ではスポットライトも浴び、頭も目もさえた。最下位脱出と今季初の同一カード3連勝は2年目の若武者から生まれた。
3-3の6回1死二塁、小野の内角直球をフルスイングで右中間に運んだ。「詰まったんですけど落ちてくれた」。サードレギュラー栗原の首痛を受け、試合前練習後に急きょ先発が決定。代役三塁を務めた男がここぞのチャンスで大仕事だ。「まずは自分の地位を確立することが大事。常にチャンスだと思っています」と気を引き締めた。
9連戦開始と同時に異例の指令を乗り越えていた。4月29日~5月1日は1、2軍の試合に出場する“親子ゲーム”に3日連続で参加。そもそも“親子ゲーム”自体が2年目の小久保政権下で初めてだった。指揮官が「今の時代はあまりないけど、昼も夜もヘロヘロになって(頭1つ)抜けてほしい。刺激も含めて」と期待するホープ。60キロ前後の距離がある筑後とみずほペイペイドームを往復し、泥まみれになった。
4月30日と5月1日は1軍でもスタメン出場した。「めっちゃ眠いです」。苦しい時間を乗り越えて待っていたのは歓喜だった。蒸し暑い小部屋で汗を流し、水風呂を経て外気浴で“ととのう”大好きなサウナのように。「サウナのあとは幸せな気分ですよ」。この日の白星も格別だったに違いない。
チームは今季ワーストタイ5連敗から3連勝。ゴールデンウイークを挟む9連戦の6試合を終え、3勝3敗の五分に戻した。決勝打のヒーローは「僕は親子ゲームで12連戦になるんですけど、しっかり休息を取って自分のパフォーマンスができれば」と球場に笑顔を届けた。【只松憲】