愛されている佐々木朗希 初勝利祝うクラブハウスで「バイラロ・ロッキー」/Nobu’s Eye
<ブレーブス3-10ドジャース>◇3日(日本時間4日)◇トゥルイスト・パーク
ドジャース佐々木朗希投手(23)が、待望のメジャー初勝利を飾った。
悪天候で3時間6分遅れで始まったブレーブス戦に先発。5回のマウンドに上がった時には既に午前0時を過ぎ、日付変更となる珍事もあったが、メジャー自己最多の98球を投げ抜いた。苦しみながらも5回6安打3失点。「1番DH」で8号ソロを含む3安打を放った大谷翔平投手(30)ら打線の援護を受け、7試合目の登板で初勝利を手にした。
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なんとかチームに貢献し、前向きに過ごそうとする姿勢は、一記者として見ていても自然と伝わってきた。シーズンを戦い、クラブハウスや遠征の移動をともにしている同僚たちにとっては、なおさらだろう。4月末、ベテラン内野手のロハスは「同僚との話し方やクラブハウスでの振る舞いが、来たばかりの頃とは明らかに違う。コミュニケーションを楽しんでいる様子が見えるようになった。表情もすごく良くなって、そういう姿を見るとうれしい」と語った。
前回4月26日、本拠地での登板の際に「Bailalo Rocky(バイラロ・ロッキー)」というラテン系ミュージックが新しい登場曲で流れた。“ロッキー”の発音が、名前のロウキと似たように聞こえることから選曲されたもので、ベンチもノリノリ。誰の推薦か、舞台裏の詳細こそ明かさなかったが、そこには仲間を思うロハス流の気遣いがあった。「楽しんでくれたと思うし、あの曲はきっと球場でも人気になるね。登板の度に皆、ファンも一緒に盛り上がるはず」。その日の試合後、佐々木のほおが緩み、うれしそうな表情を見せたのは、登場曲の話題を振られた時の一瞬だった。
3月29日の本拠地初登板では2回持たずに交代。悔しさを秘めながらも2日後、外野でフリー打撃の球拾いをしながら、イブル三塁コーチや中継ぎ左腕ベシアの話に耳を傾ける姿があった。練習ではほぼ毎日、一番乗りでフィールドに現れる。その姿を同僚や球団スタッフも見ている。初勝利を祝福する余韻が冷めないクラブハウスで、若手外野手のパヘスが声を上げた。「Bailalo Rocky!」。愛されている様子が、はっきりと見てとれた。【斎藤庸裕】