ブレーブス対ドジャース 試合後、笑顔で取材に応じるメジャー初勝利のドジャース佐々木(撮影・滝沢徹郎)

<ブレーブス3-10ドジャース>◇3日(日本時間4日)◇トゥルイスト・パーク

【アトランタ(米ジョージア州)3日(日本時間4日)=斎藤庸裕】ドジャース佐々木朗希投手(23)が、待望のメジャー初勝利を飾った。

悪天候で3時間6分遅れで始まったブレーブス戦に先発。5回のマウンドに上がった時には既に午前0時を過ぎ、日付変更となる珍事もあったが、メジャー自己最多の98球を投げ抜いた。苦しみながらも5回6安打3失点。「1番DH」で8号ソロを含む3安打を放った大谷翔平投手(30)ら打線の援護を受け、7試合目の登板で初勝利を手にした。

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節目を飾った佐々木はほおを緩ませ、素直に喜んだ。試合後、メジャー初勝利に「まずはほっとしてるというか、良かったなと。うれしいなと、そういう気持ちです」。終始、穏やかな表情で振り返りながら一番の笑顔を見せたのは、同僚から受けた祝福の様子を振り返った時だった。「すごい、いろんなものをかけられて。たくさんの人に『おめでとう』って言ってもらえて、すごくうれしかった」。午前1時半を過ぎ、試合後のクラブハウスにはビールシャワーの余韻で美酒の香りが充満していた。

デビューから7戦。1勝まで約1カ月半を要した。「初勝利うんぬんの前に、なかなかチームに貢献できてる感じもなかったので」。もどかしさを秘めながら、プレートを踏む際の右足の向きや、ステップの位置など投球フォームの微修正を繰り返した。「決して納得できてるわけではないですし、まだまだいいボールが投げられる」。しっくりこない状態でも、先発の仕事を全うする役目がある。そのはざまで戦っていた。

紆余(うよ)曲折を象徴するかのように、この日も試練から始まった。悪天候で、3時間6分遅れの午後22時21分から試合開始。「先にルーティンを済ませて、その後はぶらぶらしたり、ゆっくりしました」と、心を落ち着かせた。だが、立ち上がりから球数がかさみ、4回までで85球。勝利投手の権利を得る5回を投げきれるか、ギリギリのラインだった。「このバッターを出したら代えられるかとか、そういうことは頭になかった」。打線の援護を受けていただけに、「しっかり3人で終えて帰りたい」一心で3者凡退とし、98球を投げ抜いた。

直球の平均球速は94・8マイル(約153キロ)で、本調子には遠く及ばない。3四死球で制球も乱れたが、「大変な試合だったんですけど、最低限の仕事はできたので、そこに関しては良かった」と、少しだけ自分を褒めた。日をまたいでの投球には「初めてです」と苦笑いしつつ、「その中でもこういった形で初勝利できたことはすごく特別で、なかなか忘れることができないかなとは思います」。もがきながら、助けられながら、つかんだ記念の1勝。チームを7連勝に導き、ようやく安心して笑えた。

▽ロッテ吉井監督(メジャー初勝利を挙げた佐々木に)「おめでとう。(先発投手は)ローテーションを守って、ゲームの半分ぐらいしっかり投げられたらいい。彼はそれをずっと続けられている」

▽ドジャース・ロバーツ監督(佐々木に)「初勝利をなんとしても挙げてもらいたかった。機会を与えたかった。立て直して5回を投げきったことは、本当にうれしい。ローテの一員として計算できる先発の1人になりつつある」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 佐々木朗希が7戦目で待望のメジャー初勝利 同僚の祝福に一番の笑顔 日またぎの投球「初めて」