決勝で敗れ悔しさをにじませる川崎Fイレブン(AP)

<ACLE:アルアハリ2-0川崎F>◇3日(日本時間日)◇決勝◇サウジアラビア・ジッダ

川崎Fの悲願は、あと1歩でかなわなかった。アルアハリ(サウジアラビア)に0-2で完敗。初のアジア王者になる夢は、持ち越しとなった。前半35分にブラジル人FWガレーノ(27)に芸術弾を決められ、7分後に追加点を許した。22年大会浦和以来の日本勢Vを逃した。それでも組織力を武器に、桁違いの資金力を誇る中東勢を連破して、クラブ初の決勝までたどり着いた。アリアハリは、初のアジア王者に輝いた。

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川崎Fの旅はアジア2位で終焉(しゅうえん)を迎えた。元ブラジル代表FWフィルミーノ(33)やアルジェリア代表MFマフレズ(34)らを擁する金満軍団に立ち向かったが、前半の2失点が響き敗戦。枠内シュート0に抑え込まれ、長谷部茂利監督(54)は「悔しい思いでいっぱいです。少しなのか、大きくなのか、足りなかったところがある」と胸の内を明かした。

ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドを擁するアルナスル(サウジアラビア)を破った準決勝から中2日。脇坂主将、家長らをスタメンに並べて挑んだが、及ばなかった。前半35分にペナルティーエリア左の角から掛け値なしのゴラッソを決められ、直後にも失点。フィルミーノには2アシストを許した。大会を通して対人で存在感を発揮した日本代表DF高井は涙を流し「圧倒的に個(の能力)が足りない」と認めざるを得なかった。

過酷な環境で、桁違いの相手と戦った。準々決勝以降はサウジアラビアで集中開催。準決勝、決勝はともに相手より試合間隔が1日狭い上に、決勝は相手の本拠地で大アウェーの雰囲気となった。ベスト4に3クラブを占めたサウジアラビア勢は政府系ファンドの支援を受け、国を挙げて世界的名手をかき集めて強化したスター軍団。移籍情報サイト「トランスファーマーケット」によると、アルアハリの選手総市場価値は約272億円で、川崎Fの約24億の10倍以上。差は火を見るより明らかだった。それでも選手たちは言い訳せずに戦った。過去、8強止まりだった壁を乗り越えて決勝の舞台に立った。脇坂は「絶対にこの舞台に帰ってきたい」と再挑戦を誓った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ACLE】川崎Fは力尽く…DF高井「圧倒的に個が足りない」スター軍団アルアハリに敗れ準V