アルアハリ対川崎F アルアハリ・トニーと競り合う高井幸大(AP)

<ACLE:アルアハリ2-0川崎F>◇3日(日本時間日)◇決勝◇サウジアラビア・ジッダ

川崎フロンターレの悲願は、あと1歩でかなわなかった。アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の決勝でアルアハリ(サウジアラビア)に完敗。初のアジア王者になる夢は、持ち越しとなった。

準決勝では、推定年俸320億円のポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドやセネガル代表FWマネらを擁するアルナスル(サウジアラビア)を3-2で撃破。そこからスタメン5人を変更し、MF脇坂泰斗主将(29)やMF家長昭博(38)が頂点に挑んだが、届かなかった。

前半の枠内シュートは0本、ボール支配率も相手の6割超で推移した中、均衡を破られる。0-0の前半35分、元ブラジル代表FWフィルミーノ(33)からパスを受けたブラジル代表FWガレーノ(27)が、ペナルティーエリア左角から右足を一閃(いっせん)。美しい放物線を描いてゴール右上にインスイング(内巻き)の超絶弾が決まった。ガレーノは今大会4点目となった。

直後の同42分に再びネットを揺らされる。左サイドバックの三浦颯太が右膝付近を負傷。治療でピッチを離れて数的不利の間、そのサイドから崩され、追加点を献上した。最後はフィルミーノの山なり右クロスから、コートジボワール代表MFケシエにフリーで頭を合わされた。

2点ビハインドの後半開始と同時に、FWエリソンに代えてFW山田新を投入して反撃に出る。同20分には、準決勝で得点を挙げたMF伊藤達哉と大関友翔を投入した。ボールを握る展開に持ち込んだが、準決勝から中3日で自軍より1日多い相手に1点が遠かった。

長谷部茂利監督(54)は2日の公式会見で「積年の思いを晴らす時、チャンピオンになるチャンスがきた」と気持ちを高ぶらせた。相手のアルアハリはサウジアラビアの政府系ファンドが保有し、国家を挙げて強化してきたクラブの1つ。フィルミーノや元マンチェスター・シティのアルジェリア代表MFマフレズら世界クラスのスターをそろえた。

移籍情報サイト「トランスファーマーケット」によると、選手の総市場価値は約272億円で、川崎Fの約24億の10倍以上。長谷部監督は「予算のところは我々の世界では大事なことですけれども、プレーをするときにお金を持ってプレーはできません。財布を持ってプレーはしないですし、クレジットカードを持ってプレーしません」と独特の表現でピッチ上での戦いの重要性を強調したが、個のレベル差が得点差に直結した。

今季から新大会方式となり、準々決勝から中東ジッダで集中開催となった。その港湾都市に本拠を構えるアルアハリに2度目の栄冠を許した。

【得点経過】

0-1 前半35分 ガレーノ(アルアハリ)

0-2 前半42分 ケシエ(アルアハリ)

【今大会の勝ち上がり】

▼1次リーグ 6勝2敗

▼準々決勝 川崎F 3-2 アルサド(カタール)

▼準決勝 川崎F 3-2 アルナスル(サウジアラビア)

▼決勝 川崎F 0-2 アルアハリ(サウジアラビア)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ACLE】川崎F、アジア制覇ならず…決勝でアルアハリに0-2完敗で夢は持ち越し