阪神対ヤクルト 6回表、力投する阪神先発のデュプランティエ(撮影・上山淳一)

<阪神7-1ヤクルト>◇3日◇甲子園

阪神の新助っ人、ジョン・デュプランティエ投手(30)が“4度目の正直”で来日初勝利をゲットし、チームを首位返り咲きに導いた。

6回を4安打3奪三振1四球で無失点。外野に飛ばされた打球は安打を含めて5本のみで、ゴロアウトを量産するクレバーな投球が光った。2試合連続2桁安打を記録した打線の援護も受け、来日4戦目で待望の白星をゲット。チームは4連敗からの本拠地2連勝で息を吹き返した。

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最速157キロを生み出す肉体だけでなく、自慢の頭脳も駆使した。デュプランティエが突然イメージを一新させ、ヤクルト打線を翻弄(ほんろう)した。過去3戦16イニングで25三振を奪っていた右腕がこの日は3奪三振。初回からゴロアウトを積み上げた舞台裏には、バッテリーによる綿密な打ち合わせが存在した。

「相手は『自分たちが三振を取りにくる』という頭で来ると思ったので、そこを利用してゴロを打たせていこうと。積極的にストライクを取りにいって打たせることができた」

坂本とのバッテリーで真っすぐ、カーブ、カットボールをコースに投げ分けた。6回を4安打1四球で無失点。18アウトのうち9個を内野ゴロで奪った。磨き続けたクイックも効果を上げた。

化学や物理学でノーベル賞受賞者も輩出する名門ライス大出身。試合後のお立ち台では子供から「野球選手になっていなかったら何になっていたか」を問われ「歯医者」と回答した。そんな頭脳派右腕ならではのクレバーな快投。ヤクルト打線との駆け引きにも勝利した。

「毎日そのままで食べている」という梅干しが活力源だ。「好物のピクルスがあまり売っていなくてね。酸っぱい食感も好き。体にもいいと聞いているし、水分補給としてもいいからね」。日本で出会った新食感もハイパフォーマンスをひそかにバックアップしている。

2回の第1打席ではヤクルト奥川のツーシームを中前に運ぶ来日初安打も記録。佐藤輝らチームメートの打撃フォームを研究した成果も披露し、ウイニングボールとともに初安打の記念球も手に入れた。2つのお宝には日本語で日付や状況を書き込んでもらい、メジャー勝利球などと一緒に自宅に飾る予定だ。

試合後は4万2613人が駆けつけた超満員の甲子園で歓喜に浸った。人生初のお立ち台ではお笑いコンビ「ダイアン」の津田篤宏のギャグ「ゴイゴイスー」も披露して、笑いも取った。「これが最後にならないように頑張っていきたい」。V奪回請負人に待望の白星がついた。【伊東大介】

▽阪神藤川監督(デュプランティエ初勝利に)「彼の場合は積んできた人生経験が生きて、これからも生きてくると思います」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】デュプランティエ“4度目の正直”で「ゴイゴイスー」頭脳派右腕がクレバー快投でゴロの山