<明治安田J1:浦和2-0東京V>◇3日◇第14節◇埼玉ス

浦和レッズがホームで東京Vを2-0で下し、2016年以来9シーズンぶりの5連勝を達成した。前半にFW松尾佑介(27)とMF渡辺凌磨(28)が得点すれば、守ってはJクラブ公式戦通算800試合目となったGK西川周作(38)が完封した。今季序盤は取りこぼしが目立ったが、4月以降の7試合は6勝1敗。世界の強豪に挑むクラブW杯(6月14日開幕)を前にチームは上昇気流に乗った。

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快晴のゴールデンウイーク、埼玉スタジアムは5万2429人で埋まった。強い浦和を強い空気感が後押しした。前半6分、松尾が個人技で打開した。左サイドからのカットインでゴール右隅に先制点を決めた。「朝起きた時から気分が良かった」。爽快な目覚めがチームを勢いづかせた。

続く前半31分、CKを起点に相手クリアボールを拾ったMF渡辺が直接、左足で強烈なシュートを見舞った。相手選手のブロックをはねのけ、威力満点のボールがゴールに突き刺さった。「こぼれ球だからうまくミートできれば」。練習からシュートを枠に飛ばすことをチームとして徹底していた。その成果が出た。

浦和が強い。3月までの7試合は1勝4分け3敗だったが、4月に潮目が変わった。急先鋒(せんぽう)となっているのが松尾だ。MF登録、170センチと小柄ながら俊足を生かしたプレーが持ち味。4月2日の清水戦から先発入り。その後チアゴ・サンタナに代わって1トップ起用されるとチームも“目覚めた”。

トップ下の渡辺、2列目右の金子、同左のマテウス・サビオとの流動性ある攻撃で翻弄(ほんろう)する。4月以降の7試合で松尾が3得点なら渡辺も4得点。マテウス・サビオ、金子も得点する。チアゴ・サンタナのような個に頼るのでなく4人の機動力で崩す。松尾は「4人がお互いのためにプレーできる。僕が対策されたらほかの選手にシュートチャンスが出るし、彼らが対策されたら僕にチャンスが来る。良い状態かな」。守っても前線からのハイプレスが効いている。

9年前の5連勝を知る西川は「シンプルに言うと(攻守の)切り替えが速い。1人の選手に対して2、3人が囲うシーンもありましたし、みんなのハードワークが結果につながっている」。いい守備からいい攻撃。けれん味のないサッカーだからこそ、見る者も興奮する。「このスタジアムのマジックが出た」とはスコルジャ監督の弁。ホーム戦は7連勝、埼スタで浦和が上昇気流に乗った。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【浦和】9シーズンぶり5連勝 通算800試合目のGK西川周作が完封「ハードワークが結果に」