【G大阪】岸本武流がJ1では自身初の1試合2ゴール「本当に自分らしいゴールだと思う」
<明治安田J1:G大阪4-0湘南>◇3日◇第14節◇パナスタ
ガンバ大阪の岸本武流(27)が、2ゴールの活躍でチームに連勝をもたらした。
今季3度目の先発起用に、結果で応えた。DF登録ながら右MFで出場すると、1-0の前半13分にFW宇佐美貴史(32)のシュートをGKがはじいたところを、相手DFと競りながらもスライディングで押し込んでチーム2点目。「もっと早くスプリントして(宇佐美)貴史くんからの横パスで決められるのが一番良かったけど、諦めずに走り続けてこぼれ球を押し込めた」。
同29分にはMFファン・アラーノ(28)の左からのパスに右足インサイドで柔らかく合わせ、ゴール左へ流し込んだ。「試合前からアラーノが右で持ったら奥を見ていてくれと言われていた。狙い通りだった」。自身の1試合2発はセレッソ大阪U-23時代の17年7月福島ユナイテッド戦以来で、J1では初。記念すべき2ゴールを振り返って「本当に自分らしいゴールだと思う。ちょっと泥くさいというか、ワンタッチで相手が嫌がるようなゴールができたなと思う」と笑顔を見せた。
先発は3月2日東京ヴェルディ戦以来10試合ぶりで、その間に途中出場した5試合での出場時間は最大でも13分だった。それでもこの日は90分間走りきった。与えられたチャンスに岸本は「連戦で絶対いつかチャンスくると思っていた。毎回僕がスタメンで出る時は結構急だけど、しっかり準備できていたので、すごく走れたし、いい形で点も取れて良かった」と期待に応えられたことを喜んだ。
岸本の準備する姿勢は、チームメートも認めるところ。宇佐美は岸本の姿勢について「すごく苦しい中でもやり続ける姿勢を見せていたし、やっぱりそうやって続けていれば、こういう形でチャンスももらえるし、数字も残せる。タケの今日のプレーとか活躍はすごくチームにとっていい刺激になったと思うし、僕自身もすごくいい刺激をタケからもらった」と絶賛。起用を決断した指揮官も「日々働き者で、絶対に手を抜かない選手。この瞬間を思い切り楽しんで欲しいし、このような日がもっと来ることを願っている」と腐ることなく取り組み続けてきた男を評価し、その活躍を喜んだ。
メンバーに入りながらも出番のない試合が5試合あり、ピッチに立っても10分未満という試合が4試合ある状況下では、遠藤保仁コーチから聞き続けた言葉が支えにもなった。「ヤットさんにいつもいっぱい練習に付き合ってもらっていて『本当に1試合、その1本のシュートで人生変わるよ』とよく言われている。これを機に人生変えたいなと思います(笑い)」。パナスタ初弾に「最高。本当に気持ちいい」と笑顔を爆発させた背番号15が、G大阪をさらに勢いづけた。【永田淳】