専大北上、激しい雨の中で花巻南に6回コールド勝ち 岩手大会へ進出
<春季高校野球岩手大会花北地区予選>◇2日◇北上市民江釣子野球場
専大北上が6回に一挙10得点のビッグイニングをつくった。花巻南に14-3で6回コールド勝ちし、岩手大会切符を手にした。
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激しい雨の中に専大北上の歓喜の声が響いた。一挙10得点を挙げて13点リードとした6回も、先発秋山幸輝投手(3年)がマウンドに向かった。「点差も考えて、打たせて取る投球を意識しました」。雨風のせいで制球難に苦しみ2失点。だが、仲間の援護の甲斐もあり、冷静さは忘れず、最後は三振で締めくくった。6回3失点(自責2)と力投し、1人で投げ抜いた。
打っては3安打。打力や走力を見込まれ「3番」に座る。50メートル走6秒0の俊足を生かし、内野安打やセーフティーバントなどでも貢献。「バッティングは得意ではないですが、武器である足が結果につながりました」と振り返った。さらに、エースは中堅手もこなす「何でも屋」だ。「実は野手の方が得意です」とほほ笑みつつ「エース番号をつけているからには、プレッシャーもありますが、それを乗り越えてチームに貢献していきたいです」と力をこめた。
昨夏は岩手大会2回戦で敗退。甲子園は遠かった。同夏、宮城代表として初出場を果たした聖和学園の4番佐藤煌馬外野手(3年)とは小中でともにプレー。元チームメートが聖地でプレーする姿をテレビの前で見ていた。「とにかくうらやましかったです」。次は自分の番。専大北上は、春夏通算5度の甲子園出場を誇るも、06年夏以来、19年も出場から遠ざかっている。「甲子園出場は3年間のご褒美だと思っています」。最後の夏を最高の夏にするために、まずはこの春を最高の春にする。【木村有優】