東京戦前日練習でボールを追う小野(撮影・小林忠)

J1で17位のアルビレックス新潟が、春の味覚「タケノコ」のようにニョキニョキと勝ち点を伸ばす。3日、松橋力蔵前監督(56)率いる16位FC東京とホームで対戦。加入2季目のFW小野裕二(32)にとって敵将は、才能が芽を出した横浜F・マリノスユース時代にも指導を受けた恩師となる。しかし特別な感情は試合終了のホイッスルが鳴るまで封印。ピッチを自由に動き回って攻撃に変化をつけながら、ゴール前に顔を出し、今季初の2連勝に導くシュートをぶち込む。

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今季ホーム初白星に、小野が導く。最前線から中盤に落ちて攻撃の中継地点になりながら、フィニッシュゾーンに顔を出すアタッカーは「周りの選手を生かしながら最終的に自分が点が取れる、アシストできる、そんなところに入っていきたい」。イメージを膨らませ、勝ち点1差で追う東京戦の前日練習を全うした。

チームは前節、敵地でサンフレッチェ広島を1-0で破って順位を19位から17位に上げた。今季初の2連勝に向けてファンも選手を後押し。栄養をつけてもらおうとこの日、クラブハウスに今が旬の「タケノコ」が差し入れされた。今季まだ無得点の小野は「チームに必要なプレーを考えながら1、2回あるチャンスを生かせる選手になりたい」。勝ち星とともにゴール数もニョキニョキと伸ばしていくつもりだ。

アク抜きなど下処理に手間はかかるタケノコだが、炊き込みご飯や煮物など調理法は豊富。チームも、シーズン序盤は失点がかさみ勝ち星を取りこぼす苦い時期を過ごしたが、守備を「下ごしらえ」したことで安定感が増し、選手同士がパスでつながりながら前進していく、レパートリー豊富な攻撃が芽を出し始めた。

「ミスを恐れず、相手が嫌がることをする回数を多くする。もっともっと、押し込む時間を増やしたい」

新潟の地に根を張り、今も闘い続けるメンバーで勝ち点3をつかむ。アルベル氏(57)が20年に植え付けたポゼッションスタイルに水をやり、分析や教訓など肥料を与えながら育てる樹森大介新監督(47)とともに、松橋前監督にシン新潟を示して勝ち切れるか-。横浜ユース時代にも指導を受けた恩師との“マッチアップ”となるが、試合が終わるまでは私情を捨てる。「別に(松橋)監督と試合をする訳じゃない。勝ち点3をどう取るかを考えて闘うだけ」。勝って順位をひっくり返し、上位争いへ突き上げていく。【小林忠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【新潟】タケノコ、ニョキニョキ今季ホーム初白星&初連勝だ!松橋前監督を相手に勝ち点を伸ばす