中日対阪神 4回裏中日無死二、三塁、小幡(左)は細川の打球を捕球し転倒する(撮影・森本幸一)

<中日3-2阪神>◇1日◇バンテリンドーム

球際勝負で敗れた。阪神が敵地で今季ワーストの4連敗を喫し、今季初の同一カード3連敗となった。好機をものにできず、この日も1点差で惜敗。藤川球児監督(44)は、長いシーズンを見据えるように冷静に話した。「ペナントレースですから、今はそういう時期に差しかかっていると、ゲームの途中あたりから見えてきました」。

1プレーの攻防が勝敗を分けた。1-1の同点に追いつかれなおも無死二、三塁。細川の遊ゴロの当たりを遊撃手の小幡竜平が難なくさばいた、はずだった。一塁送球の体勢を取ろうとし、スリップするように転倒。どこにも投げることができず、1点を勝ち越された。

さらに、佐藤輝の10号ソロで追いついた直後の5回。2死一、三塁から先発大竹が高橋周に2球目を投げた際、一塁走者の上林がスタート。坂本が二塁に送球すると、上林は途中で止まって逆走。小幡が全力で走り上林をタッチアウトにするも、その間に三塁走者の岡林が本塁に生還。際どいタイミングだったが、痛い1点。延長11回にビーズリーのサインミスで敗れた前夜に続き、1点に泣いた。

指揮官は試合の流れの中の1プレーと捉えていた。「5回ですからね。まだまだ展開的には、というところでしたから。あの作戦自体は特に、問題があったとは全く考えていないですね」。しかし、打線にあと1本が出なかった。5回まで中日先発左腕の三浦を前に散発3安打と流れを引き寄せられず。6回は2番手左腕の近藤から1死二、三塁の好機をつくるも、近本が空振り三振。中野が四球を選んで満塁としたが、森下が再び空振り三振に倒れた。相手の右腕先発時は10勝4敗1分けの一方、左腕には4勝8敗と負け越している。

今季最長6連勝のあとに遠い白星。ここが踏ん張り時。指揮官は力強く言った。「来たな、という感じですね。やっていきますよ」。2日から本拠地甲子園に戻って迎えるヤクルト3連戦。スコアボードの選手名がひらがなとなる、毎年恒例の「こどもまつり」も開催される。快勝で子どもたちを喜ばせる。【磯綾乃】

▷阪神田中内野守備走塁コーチ(重盗を仕掛けられ、決勝点を与えた5回の守備対応について)「試合の中で起こることで、こっちの考えもある。別にミスがあったとかはない。小幡はやろうとしていることをやっただけ。小幡の判断とかではない。チームとして動いていること」

▷阪神藤本総合コーチ(5回に本塁生還を許した場面に)「どちらが答えか分かっていれば、誰でもできること。もちろん警戒した中での判断なので」

▷阪神小幡(5回2死一、三塁の場面は、一塁走者をアウトにする判断かと問われ)「僕から言えることは何もないので、すみません」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】小幡竜平が転倒&走者追う間に決勝点献上…4連敗に藤川監督「今はそういう時期」