西武対楽天 7回から登板した西武山田(撮影・足立雅史)

<西武3-1楽天>◇4月30日◇ベルーナドーム

ハタチの春を必勝リレーに捧げようと思う-。西武山田陽翔投手(20)が1点リードの7回に登板した。初めての勝ちパターン。「一気にグッと気持ちが入りました」とファンの歓声にも高まり、見事に無失点。グラブをたたいて喜んだ。

近江(滋賀)で甲子園準Vに輝いた湖国の星は、今年でプロ3年目。コンディション不良で出遅れたが、一気にここまで来た。リードした炭谷も「気持ちが強い。動じない」とたたえるハートで、ツーシームなどを動かしながら楽天打線の芯をしっかり外した。

西武は試合中盤のマウンドが固まりきらない。それだけにストライク先行で「ホーム、いいっすね。投げてて気持ちいいっす」という胆力でいまだ防御率0・00の若き右腕がはまると大きい。周辺のゴロに食らいつこうとするフィールディングも、試合中盤のベンチに大きな刺激を入れる。

ベストセラーとなった作家・宮島未奈氏の「成瀬は天下を取りにいく」は滋賀の百貨店、西武大津店(20年閉店)などが舞台になった。「まだ読んでいないんです」という山田だが、高校まで育った故郷への思いも深い。20歳、発展途上。今は動く球も多いが「球速が上がってくれば、もっとスケールの大きい投手になれると思う」と高いところも夢見る。チームも4連勝で貯金1。山田の仕事は大きかった。「点取られていいイニングはないので。今は中継ぎをしっかりまっとうしたいです」。信じた道をいく。【金子真仁】

西武西口監督(山田の7回の起用について)「いま状態的に山田がいいので。物おじせず、ああいう場面でもしっかり自分の投球をしてくれました」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【西武】湖国の星、山田陽翔は信じた道をいく 初の1点差必勝リレー登板も抜群の胆力で無失点