ドジャース対マーリンズ 1回裏ドジャース無死、右越えにソロ本塁打を放つ大谷(撮影・菅敏)

<ドジャース15-2マーリンズ>◇29日(日本時間30日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)4月29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、今季最速の弾丸ライナー弾を放った。マーリンズ戦に「1番DH」で出場し、4打数1安打。1回の第1打席でアルカンタラの初球を捉え、先頭打者アーチを放った。第1子となる長女が誕生し、産休制度の「父親リスト」から復帰して以降、7試合本塁打が出ていなかったが、ようやくパパ1号をマーク。今季最速の打球速度114・1マイル(約184キロ)で打線に火をつけ、チームの4連勝に貢献した。

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大谷の表情は柔らかかった。長女の誕生後、初の1発。試合後、父となった心境を初めて語った。抱きかかえた赤ちゃんの感想は「あったかかったですね。予想より大きく生まれてきてくれたので、なんて言うんですか、安堵(あんど)というか、健康な状態で生まれてきてくれたので、それが何より」。うれしそうにほおを緩ませながら、特別な瞬間を振り返った。

ハッピー感が満載だった。第1子の誕生を19日に公表してから10日。「無事にまず生まれてきてくれて感謝してますし、寝不足気味でしたけど、心地のいい寝不足というか、幸せな寝不足だったので、球場でも動けたかなと思います」と、新しい生活の一端を明かした。睡眠時間は少なくなるが、それもうれしい。「今日も病院に行ってから(球場に)来たりとか、しばらくはそういう感じかなと。ホーム(本拠地)にいるうちはもちろん僕がいますけど、ロード(遠征)はいないので、そこがちょっと気がかり」と案じる姿は、パパそのものだった。

産休制度の「父親リスト」を利用できるのは最大3日間だが、2日でチームに再合流。米国の西海岸ロサンゼルスから、中部のテキサス州アーリントン、イリノイ州シカゴへと遠征が続いた。それでも「予定より早く生まれてきたので(一緒にいられる)時間は思ったよりもありましたし、妻の方もそこまで悪い状態ではなく、無事に健康な状態でその後の数日も過ごしたので。比較的安心して遠征にも行きました」。真美子夫人の体調を気遣いつつ、全力プレーを全うした。

くしくも、この日は「ウーマンズ・ナイト」として開催され、夫人の選曲でアニメ「セーラームーン」の主題歌「ムーンライト伝説」のメロディーに乗り、打席に入った。そして、第1打席の第1球を捉えて右越えに先頭弾。「1点取られた後にすぐ追いつけて良かったのと、(妻が)出産してからホームランは出てなかったので、いい1本になった」と喜びをかみしめた。高く舞い上がる“ムーンショット”ではなかったが、打球速度114・1マイル(約184キロ)は今季最速。弾丸ライナーの一撃は、優しくも、力強い、記念のアーチとなった。

▼大谷の初回先頭打者本塁打は通算14本目。このうち初球を打ったのはエンゼルス時代の22年4月15日レンジャーズ戦で1回表に放って以来、大リーグ移籍後2本目となった。初回先頭弾の初球を複数回マークした日本選手はイチロー(9本=表2本、裏7本)に次いで2人目。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平、長女誕生後初弾でチームの4連勝に貢献 「心地のいい寝不足」父親の心境語る