【ACLE】川崎F脇坂泰斗主将、V弾は「みんなで取ったゴール」クラブ史上初4強「うれしい」
<AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE):川崎F3-2アルサド>◇27日(日本時間28日)◇準々決勝◇サウジアラビア・ジッダ
川崎Fがアルサド(カタール)を延長戦の末、3-2で破り、クラブ史上初の4強入りを果たした。2度追いつかれる熱戦を延長戦の末にMF脇坂泰斗主将(29)の決勝点で制した。ACLEファイナルズに進出した東アジア勢が軒並み敗れた中、最後のとりでとして残った。今季就任した長谷部茂利監督(54)のもと、新たなフェーズに入った新生フロンターレが歴史をつくった。準決勝は30日(日本時間5月1日)にポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナウド(40)らを擁するアルナスル(サウジアラビア)と対戦する。
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試合から一夜明けてオンラインで取材に応じた脇坂の顔には充実感、疲労感、安堵(あんど)感などさまざまな表情が入り交じっていた。次戦を見据えた上でベスト4進出の思いを明かした。
「なかなかクラブが越えられなかった壁にもう1回チャレンジできて、ここにいるメンバーとスタッフとサポーターと記録を破れたのはうれしい」
粘り強さと勝負強さが際立った。2-1の後半26分に追いつかれ延長戦へ。気温32度と気候への順応面で終盤は苦しんだが、延長前半8分、相手陣深くで素早くボールを奪ってパスをつなぎ、最後は主将が押し込んだ。蹴った瞬間に軸足の左足、さらに喜ぼうと走り出した瞬間に右足がつり、その場から動けなくなった。「みんなで取ったゴールだなとかみしめていました」。
クラブとして11度目のアジアの舞台。前回の8強入りは脇坂の入団前年の17年。J1を連覇するなど圧倒的な強さを誇った時代にもなしえなかった壁を突破してみせた。「越えてやるという思いはどんどん強くなっていく分、爆発させることができたのかな」。先人の思いも背負って戦った。
準決勝の相手はロナウドらスター軍団のアルナスル。横浜を4-1で粉砕した相手との対戦は完全アウェーが予想されるが背番号14は「チームワーク、組織力という武器がある」と自信。ウオーミングアップや試合前日のクールダウンをまとまって行うなど、一体感をより重視する長谷部監督は「サッカーは名前でするものではない」と強調した。一丸となって強敵に立ち向かい、悲願のアジア制覇へ前進する。