大谷翔平ついに覚醒 二塁打、三塁打、二塁打で勝利貢献「父親リスト」復帰後苦しんだ姿と別人
<ドジャース8-4パイレーツ>◇26日(日本時間27日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、一気に目覚めた。パイレーツ戦に「1番DH」で出場し、5打数3安打1打点。長打3本、1盗塁、2得点をマークし、打線を勢いづけた。「父親リスト」から復帰した20日のレンジャーズ戦以降、前日まで4試合で16打数2安打と快音が聞かれなかったが、ついに覚醒。チームの連敗ストップに貢献した。先発の佐々木朗希投手(23)はメジャー自己最多93球を投じ、5回2/3を投げ5安打3失点で勝敗はつかなかった。
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軽くさばいたようなコンパクトなスイングでも、らしさを感じさせる強い打球だった。大谷は3-4の7回、1死一塁から左腕ファーガソンと対戦。2球で追い込まれながら、ファウルで粘って5球目、真ん中に入ってきた直球を捉えた。打球速度107・7マイル(約173キロ)。左中間へ、高速ライナーの適時二塁打で同点とした。直後のベッツの打席では三盗をマーク。持ち味の長打力と足を絡めた攻撃で、打線を勢いづけた。
試合後、ファンの歓声を浴びながら、ヒーローインタビューで語った。「最近あんまり打てていなかったので、いいきっかけの1試合になればいいかなと思いますし、また明日切り替えて、これよりもいいパフォーマンスができるように毎日頑張りたい」。第1子となる長女が誕生し、「父親リスト」から復帰後、16打数2安打と苦しんだ。ロバーツ監督から「スイングが少し大きい」と指摘され、ボール球にも手を出す場面が多かった。だが、この日は、まるで別人だった。
二塁打、三塁打、二塁打の長打3本。全てストライクゾーンに甘く入ってきたボールを捉えた。第1打席は、スイングが大きい傾向にあった内角高めを確実にミートし、球足の速い打球を右中間へ運んだ。3連敗中で先制点を与えた直後に同点ホームを踏み、流れを一変。「チームの雰囲気自体が悪いことはもちろんないですけど、やっぱり勝ちがないと乗ってこないのかなと思うので。そういう意味では、全員が打っていい試合になったかなと思います」と手応えを口にした。
試合直前には、チームメートの盛り上がりとともにノリノリでベンチに登場。先発の佐々木の新登場曲「Bailalo Rocky」のリズムに乗った。初勝利はお預けとなったが、力投した佐々木について「また次の試合に期待したいですし、その試合で打てるようにまた頑張りたい」と頼もしく語った。打席でも笑顔が戻り、右に、左に打ち分け、3安打1打点2得点。復調を力強く印象づけた。