【西武】滝沢夏央が食らいついて食らいついて経験深める この日は粘って2安打にグラブトスも
<西武3-0オリックス>◇26日◇ベルーナドーム
西武の滝沢夏央内野手(21)は4回、バットを手元から折られながら、長谷川の3ランへとつながる安打を打った。
ただ、らしさが出たのは2回の第1打席。フルカウントからファウルで3球粘り、最後は勢いこそ強くなかったもののしぶとくライト前に転がした。
2回終了時点でオリックス・エスピノーザは57球。滝沢も難敵崩しに間違いなく貢献した。
敗れた前日25日のオリックス戦も、4打席で投手に24球を投げさせた。6回の押し出し四球が目立ったものの、より効果的だったのは2回の四球だ。
滝沢自身も「あれは自分の中でベストだと思っています」と振り返る。
その回、積極的に仕掛けた7番古賀悠と8番児玉が、いずれもいい当たりだったものの2球で2死になった。滝沢もその流れで凡退すると、先発今井に息つく暇がなくなる。
「もう、なんとか粘って今井さんに間を持たそうと。最悪、最後は三振でもいいと思ってました」
見送りストライクが2つに、ボール、ファウル、さらにボールが2つでフルカウントに。最後はカットボールを見送り、四球をもぎ取った。
「とにかく球数を投げさせて。時間稼ぎみたいな感じなのかもしれないですけど…」
3回表、しっかり息を整えられた今井は先頭に四球を許したものの、上位打線から3連続三振を奪い、勢いに乗った。
前節のロッテ戦(ZOZOマリン)では2つの失策をし、連敗につながってしまった。「もう、ミスが痛すぎてなんとか取り返すのに必死です」。
とはいえミスは恐れない。この日は2安打に加え、遊撃守備でも好プレー。0-0の3回無死一塁、オリックス紅林の強い打球を投手隅田がつかみきれなかったものの、滝沢がこぼれ球をグラブですくい、つかむ間もなく、ポーンと二塁カバーの児玉へグラブトス。見事に併殺にした。
「試合前とかは不安はありますけど、試合になったらそういうことは何も考えないです。あれもとっさの反応で」
決勝3ランの長谷川と同様、もがき悩みながらも必死に食らいついている。【金子真仁】