【新潟】「ラーメン大戦争」でも柏に負けない こってりとパンチある攻撃で降格圏するっと抜け出す
サッカーはもちろん「ラーメン大戦争」でも勝つ。アルビレックス新潟は26日、アウェーで柏レイソルと対戦する。試合前日の25日は軽めの調整で汗を流した。上位を走る柏と、J2降格圏を脱したい新潟。立場は対照的だが、SNS内では両軍サポーターの仁義なき「#新潟柏ラーメン大戦争」が勃発。試合前から盛り上がりを見せている。ドリブラーのMF奥村仁(24)は相手最終ラインを「するするっ」と抜けだし、白星をもたらすことができるか-。
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キレキレの奥村がチャンスの匂いを嗅ぎ分ける。大卒2年目のアタッカーは今季ここまで公式戦11試合出場で2得点をマーク。強者が集うJ1舞台で持ち味のドリブルにも「コク」と「深み」が増してきた。「積極的に仕掛け、好調のチームに勝って勢いに乗りたい」と柏撃破を誓う。
キックオフを前に、ピッチの外では23日辺りから両チームサポーターが地元の愛するラーメンの画像をX(旧ツイッター)に連稿。ともにラーメン激戦区で、どちらの地域の味が優れているかをユーモラスに競う「#新潟柏ラーメン大戦争」が勃発している。ホーム側が個性豊かな麺類をアップすれば、全国のラーメン消費額ランク2位のアウェー側も「新潟5大ラーメン」などで応戦。ファンによる接戦が繰り広げられる。
パスで前進するチームに「個」でアクセントを加えるドリブラー。顔には幼さが残るが、プレーは新潟5大ラーメンのようにインパクト大。濃厚みそばりに濃く、熟成した足技を生かして三条カレーのように華麗に相手をかわし、体を芯から温める燕三条背脂のように見る者を熱狂させる。
ピッチ内では両指揮官がどんなラインアップを並べるのか。左MFで先発予想の奥村は「自分の良さを出していきたい」。深い切り“かえし”を織り交ぜたドリブルで敵陣を切り裂くイメージを膨らませる。
新潟は開幕11試合を終えて1勝5分け5敗。勝ち点8でJ2降格圏に沈む。このままズルズルと下位でシーズンを進めるのか、どんぶりの中で麺と野菜の場所を入れ替える“天地返し”のように順位を引き上げ、上位争いに加わって行くのか。柏は攻撃の引き出しが多く、昨季までチームメートだったGK小島亨介(28)を含めた守備も堅い。「(小島)コジ君から点を決められたら気持ちいい。狙っていく」。あっさり終わらず、こってりとパンチのある波状攻撃を繰り返す。【小林忠】
○…今季ここまで全11試合にスタメン出場し、チームトップタイの4得点を挙げるMF長谷川元希(26)は「チャンスを確実に仕留めたい」と勝ち点3に向け語気を強める。相手のゴールマウスには加入1年目の昨季、「オーラがすごくて、攻守で技術が高かった」と絶大な信頼を置いていた元同僚の小島が立つ。ゴールバリエーションが豊富な背番号41は「コジ君を悲しませたい」。ほほえみながら挑戦状をたたきつけた。