練習を見守る神戸の吉田監督(撮影・永田淳)

ヴィッセル神戸は25日、神戸市内のいぶきの森球技場で公開練習を行った。

5月3日ファジアーノ岡山戦まで時間があることもあり、チームは3連休を取って再始動。前節復帰したFW武藤嘉紀(32)や町田戦で負傷したDFマテウス・トゥーレル(26)は姿を見せなかったが、離脱していたFWジェアン・パトリッキ(27)やFW冨永虹七(にいな、20)が完全合流し、MF井出遥也(31)が多くのメニューをこなすなどポジティブ要素も。この日はリフレッシュした雰囲気でポゼッショントレーニングやミニゲームなどをこなした。

神戸は12日東京ヴェルディ戦、16日川崎フロンターレ戦、20日FC町田ゼルビア戦で3連勝。強みを取り戻す戦いで結果を得た状況に、吉田孝行監督(48)は「自分たちがやりたいことを、しっかりと選手たちが表現してくれてる。妥協せずにやらなきゃいけないことを細かいことまで突き詰めてやってくれてるということ。そこが戻ってきている部分」と手応え。今後に向けても「この現状を最低でもキープしながら、もっと向上心を持って、さらに良くなるっていう気持ちでみんながやっていかないといけない」とこの戦いを落とさず続けることの重要性を語った。

次戦の相手である岡山を率いる木山隆之監督(53)は、05~07年に神戸ユース(現U-18)監督、13~14年にトップチームコーチを務めた神戸につながりの深い指導者。13年にコーチと選手としてともに戦った吉田監督は「いい守備からいい攻撃(のチーム)という印象。勝ちにこだわるチーム。木山さんらしいチームを作っている」と警戒し、徹底した分析を進める考えを明かした。

神戸と岡山は、川崎製鉄(現JFEスチール)水島製鉄所サッカー部を起源とするチーム同士の“川鉄ダービー”となる。95年の神戸立ち上げの際には川鉄が母体となって多くの選手が籍を移し、岡山の母体となったRFK(リバー・フリー・キッカーズ)は、川鉄OBが中心となって生まれ、神戸から戻った選手もプレーした“兄弟クラブ”とも言える関係。95年の阪神・淡路大震災の際には、神戸が倉敷にあった川鉄の「第6寮」に寝泊まりして始動したつながりもある。13年にJ2での対戦はあるが、J1の舞台では初。13年に1分け1敗だった神戸が兄貴分として力を見せ、岡山から初勝利をつかめるかにも注目が集まる。【永田淳】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【神戸】J1初の“川鉄ダービー”へ再始動 3連勝に手応えの吉田監督「突き詰めてやれている」