DeNA対阪神 勝利の雄たけびを上げる阪神森下。後方は近本(撮影・井上学)

<DeNA2-4阪神>◇24日◇横浜

猛虎がハマスタで猛威を振るった。阪神が終盤の逆転劇で今季最長の4連勝とし、貯金も最多の4に増やした。2-2の同点に追いついた7回に3番森下翔太外野手(24)が左翼席へ勝ち越しの決勝2号2ラン。90歳で天国に旅立った虎のレジェンド小山正明さんにささげるアーチになった。チームはDeNAに3連勝で、今季2度目の同一カード3連勝。首位広島に0・5差と肉薄した。

   ◇   ◇   ◇

地元球場のファン、そして、小山さんに届ける1発となった。2-2と同点に追いついた直後だ。7回2死三塁、初球だった。DeNA森原の真ん中高め145キロ直球を振り抜いた。打球を見上げた左翼手佐野は追うのをやめ、打球は虎党の待つ左翼スタンドへ一直線。敵地ハマスタがドッと湧いた。

「近本さんがつないで、(中野)拓夢さんがかえして、すごくいい流れできていた。2アウトでしたし、思い切って振ろうと。いい結果につながりました」

試合後、帰りのバスに向かう森下は引き締まった表情で感触をかみしめた。開幕2戦目3月29日広島戦(マツダスタジアム)の逆転2ラン以来、26日、85打席ぶりの第2号。「高めのボールでやっと芯に当たって打球に角度がついてくれた」。1点を追う7回2死から近本が左二塁打、中野の左前適時打に森下が呼応。上位打線3人の逆転劇だった。

レジェンドに勝利をささげる1発でもあった。この日、小山正明さんが亡くなっていたことが球団から発表された。阪神在籍中に176勝、通算320勝を挙げたOBの訃報を、森下も耳にした。「自分たちは変わらずにやるべきことをやるだけです」。タテジマに袖を通す限りは目指すモノは同じ。多くの白星を積み重ねた小山さんのように、グラウンドではストイックに勝利を追い求めた。

舞台の横浜スタジアムは横浜市出身の森下にとって慣れ親しんだ球場。東海大相模時代にも暴れ回ったが、1年目は打率1割5分8厘でセ球場別ワーストだった。「プロに入ってもう3年目なので、思い出とかも別に持っていないです」。経験や記憶を塗り重ね、成長した姿を見せた。

ホーム開幕3連戦で2敗1分けだったDeNAに敵地で3連勝。今季初の4連勝で、23年5月以来のビジター8連勝。藤川監督は「タイガース側としては、ゲームの流れがいい状態なのではないかな」と手応えを語った。今季最多貯金4で、首位広島に0・5ゲーム差と肉薄。25日からは今年初の本拠地甲子園での巨人との3連戦に挑む。虎の魂を受け継いだ若き主軸が、チームも自身も勢いづけた。【塚本光】

▼阪神が敵地横浜でDeNAに3連勝。横浜でDeNAに3連勝は23年8月4~6日以来。これでビジター8連勝で、23年5月5日広島戦から30日西武戦で記録して以来。52年のフランチャイズ制後、阪神の敵地最長連勝は68年8月7日中日戦~9月9日中日戦までの14連勝。23年も68年も今回と同じく引き分けをはさんでいない。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】森下翔太「変わらずにやるべきことをやるだけ」小山正明さんにささげるV弾で4連勝