【西武】高卒ドラ5ルーキー篠原響が早くも放送席デビュー、異例の体験をさせた球団の狙いは
<We love baseball>
18歳のプロ野球選手がナイター解説で放送席に座った。異例のデビューを果たしたのは西武ドラフト5位の篠原響投手(18)だ。22日、イースタン・リーグDeNA戦(ベルーナドーム)の配信中継に登場した。
試合開始から5回裏まで実況アナウンサーとやりとり。「自己採点は85点くらいです。楽しかったです」。最速153キロ、2軍公式戦で打者72人連続無四球という投げっぷりで早くも“山本由伸の再来か”と球団内外で評判の高卒ルーキーが、慣れない舞台でも肝の強さを見せた。
18日のイースタン巨人戦では2軍調整中の坂本勇人内野手(36)を初対決で見事、3球三振に抑えた。「古市選手から試合前に『絶対に抑えてこい。一生の自慢になるぞ』と言われてました」などのエピソードも放送席で披露。「内は速く、外は緩く、という高校時代からの配球の教えも話せました」と振り返った。
この若獅子解説は、実は球団の研修の一環だ。アイデアを出した伊藤悠一ファーム監督補佐兼人財開発チーフ(37)は話す。
「選手の言語化能力の向上が狙いです。昔と違い、今はプロ野球チームもスタッフが細分化され、自分の考えを周囲のいろいろな立場の人に伝えられる能力がとても大切です」
相互理解が深まれば、より自身に適したサポートを受けやすくなる。表現力の向上はファンやメディアに自身をアピールする土台にも。篠原は肉声で「今年は1軍で1勝したいです」と視聴者にはっきり伝えた。23日の同戦ではルーキーの冨士大和投手(18)も放送席へ。獅子再建は多角的に進んでいる。【金子真仁】