扇谷審判委員長はユニホームを着てイングランド氏と記念撮影(2024年6月)

日本サッカー協会(JFA)審判委員会は18日、都内でメディアに向けたレフェリーブリーフィングを実施した。

今季Jリーグでは、世界トップ水準を目指し「プレー強度」「アクチュアルプレーイングタイム(APT=実際にプレーが行われている時間)の増加」を掲げている。審判としてもファウルとノーファウルのグレーゾーンにおけるジャッジの標準を上げることを目指している。

JFAの佐藤隆治・審判委員会マネジャーは、開幕直後はファウルを取らない傾向にあったが、さまざまな声がある中で、取り過ぎてしまうなど、振り幅が大きくなってしまったと指摘した。「今節まで1個ずつを見れば、いろいろなシーンはあるけど、振り幅が狭まっている。このペースでやっていけば良いのかな」とうなずいた。

その後、今季の印象的な場面を複数取り上げて解説した。現場の判定と解釈が異なるシーンとして、第8節のセレッソ大阪対ファジアーノ岡山戦をピックアップ。後半8分にC大阪FWラファエルハットンが岡山DF立田悠悟に倒されたところをノーファウルとジャッジした。佐藤氏は、攻撃側選手に優位性があるとし「プレーを妨げるだけの影響があった。ファウル、PKをするシーンだった」と結論づけた。

さらに第5節の川崎フロンターレ対横浜F・マリノス戦も抽出した。前半終了間際にMF伊藤達哉がペナルティーエリア内で倒されたがノーファウル判定。しかしVARでファウルとなったが、その前段で、オフサイドポジションにいた小林悠に出たパスを横浜DF諏訪間幸成がカットした部分を切り取って現場はオフサイドでPKはなしとなった。

佐藤氏は、オフサイドポジションにいること自体は反則ではなく、守備者に心理的な影響を与えることはオフサイド判定の要素となる「インパクト」に当たらないことを強調。同場面について「オフサイドポジションにいるけど、このアクションをインパクトとはしない。この動きだけがインパクトを与えているかというと、与えているとは判断しない。我々が期待するこのシーンの答えはPKで再開すると考えます」と説明した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 Jリーグ審判のジャッジを議論 世界トップ水準目指し「PKのシーンだった」と別見解示す場面も