【阪神】佐藤輝明、年間2人目サイヤング賞投手撃ちだ 好相性ハマスタでバウアーから一発狙う
阪神佐藤輝明内野手(26)が、年間2度のMLB最高投手撃ちでチームを連勝街道に乗せる。貯金1で2位の阪神は21日から敵地横浜でDeNA3連戦。初戦の相手先発は20年サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー(34)だ。佐藤輝は3月のドジャースとのプレシーズンゲームで18年&23年の同賞受賞投手、ブレイク・スネル(32)から決勝3ランを放っており、今季のNPBで唯一、2投手から1発の夢を持つ。7本塁打&17打点で2冠を走る背番号8が、かつて場外弾も放った25年初のハマスタで大暴れの予感だ。
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V奪回へ、阪神を連勝ロードに乗せるのはこの男しかいない。新4番、佐藤輝のバットから快音が鳴りやまない。20日広島戦(甲子園)では、先制6号にダメ押し7号3ラン。適時二塁打を含め2年ぶりの1試合6打点もマークした。「調子がいい時も悪い時もしっかり打てるように」と意気込む主砲は、通算7本塁打&17打点で“両リーグ2冠”を走っている。
21日からは敵地DeNAと3連戦。初戦の相手先発は2年ぶりにNPB復帰したバウアーがくる。23年のバウアー先発試合は2勝2敗、佐藤輝は8打数2安打。5分の対決といえるが、相手はメジャーでその年最も活躍した投手に贈られる20年のサイ・ヤング賞右腕だ。実は佐藤輝だけが持つ、特別な権利がある。
3月16日のドジャースとのプレシーズンゲーム(東京ドーム)で、先発左腕のスネルから豪快な3ランを放った。スネルも18&23年の2度、サイ・ヤング賞を受賞した屈指の快腕だ。同賞獲得投手が日本でプレーする機会自体が少ない中で、今季2投手から本塁打を打てるチャンスがあるNPB選手は佐藤輝だけ。アーチを描けば、“史上初の快挙”として刻まれることになる。
形勢は佐藤輝に有利か。今季2戦未勝利のバウアーに対し、2冠を走る佐藤輝は絶好調だ。18試合時点の本塁打ペースは、85年バースの54本塁打を上回る55本で、打点は135打点にもなる。横浜は、新人の21年4月9日に国吉から推定140メートルの右中間場外弾を放った思い出のスタジアム。球場別の打率、本塁打も一番得意な神宮に次ぐ、2割8分2厘&9本塁打と好相性を誇る。
1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム大阪)は、2敗1分け。佐藤輝は坂本からの1発を含む3打点と気を吐いたが、勝ちにつなげられなかった。いよいよ敵地で借りを返す時がきた。藤川監督も4番の2発などで快勝した20日の広島戦後、こんな期待を明かしていた。「火曜日(22日)から相手も脅威に感じているバッターでしょうから、良い形でいけると思います」。チームは貯金1で2位につける。まずはバウアー撃ちで虎を連勝街道に導く。【伊東大介】
◆佐藤輝のスネル撃ちVTR 3月16日のドジャース戦(東京ドーム)で0-0の4回裏、先頭近本四球、中野中前打で無死一、三塁となった場面で対戦。初回の第1打席は遊飛に打ち取られたが、カウント3ボール1ストライクからの高め152キロ直球を右翼席へ先制決勝3ランを放った。ベンチでのハイタッチでは何度も雄たけびを上げ「ちょっと信じられない感じですけど、本当に良く打ったなと」と感激の面持ち。「自信になる。速い球への対応、対応力というところでは自分の中での引き出しが1つ増えた気がする」と手応えを明かした。チームは15日のカブス戦に続く対メジャー2連勝を飾った。