U-22Jリーグ選抜の活動に参加した小野伸二コーチ(撮影・佐藤成)

日本サッカー協会(JFA)とJリーグが協働した若手世代を中心とした新施策の一貫で、関東大学選抜と対戦するU-22Jリーグ選抜が21日、千葉市内で始動した。MF西原源樹(清水エスパルス)がコンディション不良のため不参加となったが、他の17人が約1時間半、汗を流した。

コーチとして参加している元日本代表MFの小野伸二氏が選手たちへ危機感を持つよう訴えた。

小野コーチは選手たちの練習に混ざり、トラップやパスなどの手本を、身をもって示した。

「僕が口でなんか言うより、やって、パスしてボールを使って言葉を交わすみたいな方のがきっと通じやすいというか、目の前で見せる方のがいいのかなという風に思いますし、まだ多少見せられる部分がある」

ともにプレーして、さびない技術を惜しみなく選手たちに伝えた。

1泊2日の短い活動期間では、選手たちを大きく変えることはできないかもしれない。それでも「少しでも一緒にいることで何か伝わって、感じるものがあったらいいな」と思いを込める。

今回招集されたのは、U-20(20歳以下)のメンバー。所属クラブで、出場機会に恵まれない若手選手たちが多く集まった。自身は高卒1年目から浦和レッズで出番を確保し、A代表にも選出されて98年FIFAワールドカップ(W杯)フランス大会に出場した経験がある。

だからこそ、その年代の選手たちにもっと突き抜けた成長を求める。世界を見渡せば、スペイン1部バルセロナに所属するスペイン代表MFヤマル(17)やDFクバルシ(18)ら10代でも世界トップレベルで活躍する選手がいる。

「この世代の子たちがもっともっとやってやんなきゃいけないんだと。海外を見てもそうですけど、もう16歳、17歳で当たり前のように世界で戦っているという部分で言えば、ちょっと遅い。遅れてるぞという気持ちを持ってほしいなという風に思います」

ただの選抜活動だが、それを生かすも殺すも自分次第。今回が何か変化のきっかけになるかもしれない。「みんなで意識し合うことで、またそれが自分に、いい形で跳ね返ってくるかもしれない。それを楽しみにしています」と期待した。

今回のチームは、U-20日本代表、U-23日本代表コーチの羽田憲司氏が監督を務め、コーチには小野氏のほか元Jリーガーの菊地直哉、大谷秀和の両氏が入っている。22日に関東大学選抜と対戦する。

メンバーは次の通り

▽GK

小林将天(FC東京)

ピサノアレックス幸冬堀尾(名古屋グランパス)

▽DF

本間ジャスティン(松本山雅FC)

中野力瑠(ザスパ群馬)

千葉虎士(モンテディオ山形)

本多康太郎(湘南ベルマーレ)

島佑成(愛媛FCU-18)

大川佑梧(鹿島アントラーズユース)

▽MF

碇明日麻(水戸ホーリーホック)

早川隼平(浦和レッズ)

川村楽人(東京ヴェルディ)

山本丈偉(東京ヴェルディ)

望月耕平(横浜F・マリノス)

川合徳孟(ジュビロ磐田)

中野遥翔(アスルクラロ沼津U-18)

▽FW

出間思努(北海道コンサドーレ札幌)

山口太陽(FC東京)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 U-22Jリーグ選抜小野伸二コーチ「遅れてるぞという気持ちを」22日関東大学選抜と対戦