浦和対横浜 後半、サポーターからのメッセージを受けながら戦況を見つめる横浜キスノーボHC(右端)(撮影・足立雅史)

<明治安田J1:浦和3-1横浜>◇20日◇第11節◇埼玉スタジアム

スティーブ・ホーランド監督(54)電撃解任後の初陣を迎えた横浜F・マリノスが、アウェーで浦和レッズに1-3と完敗した。MF宮市亮を開始10秒の脳振とうで欠き、凡ミスから2点目を献上するなど踏んだり蹴ったり。7戦連続の未勝利で12試合を終えて、わずか1勝(5分け6敗)で最下位の20位に転落した。最悪のチーム状況でアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)準々決勝のアルナスル(サウジアラビア)戦が6日後に迫った。前節首位の福岡は清水に1-3で敗れ、前日に試合した京都が正式にクラブ初1位に立った。

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歯車が狂った横浜を象徴するかのようだった。アクシデントから始まった。試合開始からわずか10秒、ファーストプレーだった。宮市が相手選手と空中戦で競り合った際に、互いの頭をぶつけあった。脳振とうで交代を余儀なくされた。

さらに信じられない凡ミスまで出た。後半開始からわずか40秒、自陣でのスローインからゴール前のDF諏訪間に展開したところ、まさかのクリアミス。当たり損ねたボールはゴールライン近くに転がるプレゼントボールとなり、あえなく押し込まれた。

後半14分にヤンマテウス、植中とつないで最後は山根が右足でゴールネットを揺らし、1点差としたまでは良かったが、後が続かなかった。逆に同43分にCKからの2次攻撃で駄目押し点を奪われ苦杯をなめた。

ショック療法ともなる「解任ブースト」は起きなかった。暫定指揮を執ったキスノーボ・ヘッドコーチは「監督が解任になり、1日の練習でこの試合に向かった。修正っていうのは時間的に難しかった」。この試合に勝ってACLEへ弾みをつけるどころか、チームには泣きっ面に蜂となった。脳振とうの宮市は復帰手順に則る必要があるため、サウジアラビアへの渡航は難しくなった。

電撃解任の発表からわずか48時間。何かが劇的に変わるのは無理だった。26日(日本時間27日)には世界的スター、クリスティアノ・ロナウド擁するアルナスル戦が控える。昨年の準優勝から今回は頂点を狙っているが、チーム状況は最悪とも言っていい。

2戦ぶりに先発復帰したアンデルソンロペスは手厳しくこう言った。「何も変わらない。同じ戦術で結果も出ない。ブラジル人を同時に使うとか、そういうこともなかった。このままサウジアラビアに行ったら恥をかく」。ただの1敗に終わらず、チームの苦しみはより深まった。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【横浜】Aロペス「このままサウジに行ったら恥をかく」監督交代実らず浦和に完敗 最下位転落