メッツ千賀滉大パターンがらり「お化け」と直球で6回途中無失点、山本由伸抜き防御率リーグ1位
<メッツ3-0カージナルス>◇19日(日本時間20日)◇シティフィールド
米国の東西で、日本人投手がリーグNO・1の座を競っている。メッツ千賀滉大投手(32)が19日(日本時間20日)、本拠地シティフィールドでのカージナルス戦に先発。5回2/3を3安打4三振で無失点に抑え、両リーグ最多タイの3勝目を挙げた。これで連続無失点を18イニングに伸ばし、防御率は0・79。ドジャース山本由伸投手(26)を抜いてナ・リーグのトップに立った。
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千賀は投球パターンをガラッと変えた。89球中、直球45%、お化けフォーク26%と、2球種で74%を占めた。前回登板は、直球29%でカットボールが27%、お化けフォークが22%だった。最速157キロ、平均153キロだった直球で押した理由を「どのチームもフォーク対応というのが多いと思う。追いかけっこの中で、そういう日もあるかな」と説明した。
変幻自在の組み立てで、相手打者の平均打球速度を150キロから136キロに下げた。「リードがよくて、それに応えられた結果だと思う」。前日に言葉を交わしていたカ軍ヌートバーとの対戦も3打数無安打に抑え「それなりにいい対戦になったんじゃないかなと思う」と自賛した。
現在18回2/3を投げて無失点を継続しており、防御率はド軍山本を抜いてリーグ1位に立った。数字には「そんなに思うところはない」と冷静だが、3勝目も山本に並ぶリーグ最多タイ。千賀は19、20年パ・リーグのベストナイン投手で、山本は21~23年に同賞を獲得。海越えて、ナ・リーグで再び火花を散らしている。エース復権にメンドサ監督は「今日のセンガは全ての球種を織り交ぜたのが良かった。前回とは違う配球を使い、今日はフォーシーム(直球)が大きな武器になった。相手がどんなエースを出してこようと、彼がボールを持てば私たちは勝てる気がする」と、全幅の信頼を口にした。
千賀は23年、新人ながら12勝7敗とエース格の働きを見せた。一方で昨年は、右肩の不調で公式戦登板が1試合に終わった。一昨年との比較に「まだ感触、自分の感覚と球が一致することが、あのころより多くない印象。これから投げていきながら、自分の体があのスピード帯を思い出したら」と、上昇の余地をほのめかした。そのためには、体調管理が欠かせない。「たくさん投げていく中で感覚との違いが学習できる。とにかく、けがなく投げていくことが一番大事だと思う」と表情を引き締めた。