新潟対京都 失点に絡み、悔しそうな表情の新潟稲村(2025年4月19日撮影)

<明治安田J1:新潟1-2京都>◇19日◇第11節第1日◇デンカS

アルビレックス新潟はホームで京都サンガに1-2で逆転負けした。前半19分、FW矢村健(27)がPKを冷静に沈めて先制。しかしその後は相手のファウルで攻撃がぶつ切りになり、リズム良く前進できずにいると、後半に連続失点して試合をひっくり返された。元新潟コーチの日本代表森保一監督(56)が視察する中、A代表入りを目指すDF稲村隼翔(22)は好プレーを披露したが、2失点に絡んだことを猛省した。

新潟に残された後半追加タイムは9分。1-2の最終盤、センターバック(CB)の稲村はセットプレーで攻め上がり同点ゴールを狙ったが、京都の守備を崩すことはできなかった。相手は16日浦和レッズ戦から中2日、しかも公式戦7連戦の最終戦。コンディション面で優位なはずだったが、敗れた。突きつけられた上位との差。稲村は「京都には強度、90分間、走りきれる強さがあった」と悔しがった。

今季ホーム初勝利に向け、京都の好調FWエリアスを警戒。試合中盤までCBでコンビを組んだDFゲリアと仕事をさせなかった。しかし後半28分、ゴール前で大きく弾んだボールの処理にもたつくとブラジル人アタッカーに背後から襲われ、同点弾を献上。いい流れが一気に相手に傾くと、1-1の同41分には飛び出したGK藤田とお見合いする形になり、京都MF奥川に隙を突かれ勝ち越しを許した。「やられるとしたら、あの形だと思っていた。自分の判断ミス」。2失点に関与した自らを責めた。

昨季は東洋大に在学しながら新潟の特別指定選手として公式戦出場を重ねた。本格的にプロ生活をスタートさせた今季も主軸として最終ラインに立つ。「より1点の重みを感じている」。ルーキーながらリーダーシップを発揮して守備を統率するが、総失点は第11節を終えて「16」。勝利数も1から伸びない。結果がついてこない日々が続くが「悔しさを次につなげるしかない」。目標のA代表入りに近づくためにも、成長を止めるわけにはいかない。

得意の配球でもリズムが作れなかった。チームが受けたファウルは19回。ミドルゾーンを狙うショートパスはファウルで止められるため、長いボールを広角に蹴り分けた。前半はうまくはまったが、終盤はアタッカー陣のアクションが減り、効果的なパスが出せなくなった。この日に出た攻守の課題を次節に生かせるか。「個人的なミスで勝ち点を0にしてしまったが、自信を失わず、いいプレーで見返したい」。スーパールーキーの戦いは始まったばかりだ。【小林忠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【新潟】日本代表森保監督の前で京都に痛恨逆転負けもDF稲村隼翔「自信を失わず、見返したい」