精力的に練習に取り組む横浜アンデルソンロペス

横浜F・マリノスは19日、スティーブ・ホーランド監督(54)の電撃解任から一夜明け、横須賀市内で翌日の浦和レッズ戦(埼玉ス)に向けてトレーニングに励んだ。

守備の整備に追われ、持ち前の「アタッキングフットボール」が陰をひそめた。2年連続得点王に輝いているFWアンデルソン・ロペスはホーランド監督のやり方に不満を覚え、練習途中で帰る問題行動があったと伝えられている。

そのAロペスは練習後に取材に応じ、率直な心境を口にした。

「クラブが解任を決定したので、選手としてまた攻撃的なサッカーができることを期待しています」

アタッキングフットボールの定義を問われると、「やっぱりファン、サポーターを喜ばせるもの。選手たちもやっていてい楽しいっていう気持ちでピッチに立っています。攻撃的なサッカーは各ピースがが各自のポジションをこなすことが大事だし、じゃないとこのサッカーは表現できない。楽しさっていう意味では、個人個人が個性的ではるけども、それぞれ3~4人が同時に同じ絵を描いて連動するっていうところがマリノスの良さでもあったし、相手への脅威でもあった。そういうところは取り戻していきたい」

その「同じ絵を描く」とは-。

「自由なやり方が必要だと思います。ポジションに縛られないことも大事だと思うし、例で挙げると我々のチームにはこのJリーグでも最高のウイングがいる(※ヤンマテウス、エウベル)。そういった選手もかなりの武器だと思うし、渡辺皓太もすごく質の高い選手で、中盤で自由に動いたり、自由にボールをさばいて前線に持って行く力がある。こういった選手を自由に使ったり、ウインガーを自由にポジションを取らせたりとか、そういう同じ絵を描ける。また、守備の時には全員でハイプレスをかけて、90分間強度が落ちない。ブロックを組んで待つのでなく、もう守備の時は全員がハイプレスをかけて、サポーターのみなさんもそれが見たいと思うし、マリノスはそういう攻撃的なサッカー、攻撃的な守備が魅力的だと思う」

今季のロペスは8試合でPKでの1得点のみ。過去2シーズン連続で得点王を獲得している選手だけに忸怩たる思いもある。

「僕は前監督(ホーランド氏)や強化の人たちとも話しましたけど、ここで優勝もしました。ベストイレブンに2回も選ばれて、2年連続の得点王も取れたというのは、やっぱり攻撃的なサッカーがあったからだと思います。そういう攻撃的なサッカーが今年になって急に変わった。このやり方が正直言って良くない変化になったと僕は思います。このマリノスっていうのは攻撃的サッカーを、魅力あるアタッキングフットボールを取り戻すことが一番やるべきことだと思います」

翌日の対戦する浦和のスコルジャ監督は、横浜の看板アタッカー、ブラジル人トリオを警戒している。しかし、ここまでの横浜では揃っての起用がない。特にエウベルは先発がまだ1試合だけ。そんな状況も踏まえ、ヤンマテウスとのブラジル人3トップの脅威について力説した。

「マリノスの攻撃の部分で言ったら、今まで3人が一緒に出ててかなりの貢献をしたと、数字を見ればみなさん分かると思います。ほとんどのJリーグの監督はこの3人が脅威だと思ってくれているのはうれしいですけど、このクラブではちょっと違ったですね。前監督はそういうふうに見ることができなくて。それはちょっと残念ではあるんですけど。次の代理監督がそれを見えるかどうかはちょっと分からないですけど、こうやって3人が脅威という声が上がるのはうれしいし、僕たちも正直、このJリーグの中ではこの3人が一緒にやることで、本当に大きな武器だと思います」

浦和戦を経て、1週間後にはアジアチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)8強による最終決戦もまっている。世界的スーパースター、クリスティアノ・ロナウドを擁するアルナスル(サウジアラビア)戦もある中、ブラジル人トリオ復活を願っていた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【横浜】ホーランド監督に反旗のAロペス「正直言って良くない変化」「攻撃サッカーを取り戻す」