暫定首位に立ち、サポーターと喜びを分かち合う京都の選手たち(撮影・小林忠)

<明治安田J1:新潟1-2京都>◇19日◇第11節◇デンカS

京都サンガF.C.のMF奥川雅也(29)が、クラブの歴史に名を刻む逆転弾で試合を決めた。

ベンチスタートとなった奥川は、0-1の後半11分に交代出場。後半28分にFWラファエル・エリアス(26)が同点弾を決めて攻勢を強めた同41分、今季京都に復帰した元日本代表が、泥くさくも華麗な得点を決めた。

左サイドでのスローインをFW原大智(25)が頭でつないだボールを、エリアスが左足でゴール前へ。これを奥川が新潟DFに体勢を崩されながらも右足を伸ばし、瞬間的な判断でGKの股の間を抜くシュートを流し込んだ。殊勲の背番号29は「試合の流れを変えることを監督から言われていた。そこに集中してできたのが、今回の結果につながった」と喜びをかみしめた。

万全の状態で臨めた試合ではなかった。16日の浦和レッズ戦に先発出場し、中2日でのアウェー連戦というハードな日程。加えて「アレルギーで鼻が詰まっちゃって」と睡眠も思うように取れなかった中での一戦は「だいぶしんどいです(笑い)」と振り返るものになった。

それでも踏ん張ってつかんだ勝利には、大きな喜びがあった。「試合後はもう最高の雰囲気。しんどいけど、走りきって勝つっていうのはやりきった感がある」。チームで戦い抜いた充実感をにじませた。

この勝利で、京都は96年のJリーグ初昇格以降、クラブ史上初となるJ1首位に立った。暫定ながらトップに浮上したことを知ったアタッカーは「最後にいい景色を見られるかどうかで今後のサンガの未来は変わってくると思う。まずは地に足つけて1試合1試合頑張っていきたい」。クラブの将来をより良いものにするため、アカデミー育ちのドリブラーはこれからも気を引き締めて戦い続ける。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【京都】奥川雅也が鼻詰まりに苦しみながらも逆転弾「しんどいけど、やりきった感がある」