【ロッテ】寺地隆成、プロ初本塁打含む2発 “りゅうせい”のような存在感 新外国人を好リード
<楽天1-4ロッテ>◇18日◇楽天モバイルパーク
“りゅうせい”のごとく存在感がキラリと光った。高卒2年目のロッテ寺地隆成捕手(19)がプロ初本塁打を含む1試合2発と大暴れした。3回に先制の1号ソロを放つと、8回にも追加点となるソロ。守っては新外国人ボスを好リードし、来日初勝利をサポートした。
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3回2死、楽天早川の直球を捉えた弾丸ライナーは、スピードを落とさず右翼スタンドを突き刺した。寺地は「前の試合みたいにまたフェン直かと思いながら走ってたんですけど、『お、今回は越えてくれた』と思ってうれしかった」と喜びをかみしめた。試合中の配信コメントでは「1本打つことができてうれしいです。次も頑張ります」とコメント。その「次」とは予想以上に早いものだった。
8回1死、今度は2番手藤平の低めフォークボールをすくい上げる形で振り抜き、またも右翼スタンドに入れた。「すぐにツーストライクと追い込まれてしまったのでゾーン上げてストレートを待ちながら、浮いた変化球狙っていこうかなと思ってて、それもよく反応できた」と振り返った。
守備ではボスとの初バッテリーにもかかわらず、好リードで来日初勝利をサポート。「最後の最後でポロってやっちゃったんで、やっぱり反省だと思いますし、次につなげていく糧だと思う。そこは自分の中でも舞い上がらないように、1日1日精進してやりたい」と気を引き締めた。
スタメンマスク同様、まだまだ猫もかぶっているようだ。2年前、台湾で開催されたU18高校日本代表に選出された。休養日にはみんなで外食へ。服装は自由で、チームメートは襟付きの「JAPAN」のロゴが入ったシャツを着用する中で、寺地だけはただ1人タンクトップにサングラスを胸元に引っかけたワイルドスタイル。明るい性格で常に盛り上げ役だった。プロ入り後は少し落ち着き気味なようで「本当はそういう性格ですけど、まだ本性出してないです」と照れ笑いだ。
プロ入り2年目、プライベートの素性はまだまだ出していないが、野球の本性は出てきた。19才らしからぬ堂々としたプレーでチームを引っ張る。【星夏穂】
▽ロッテ吉井監督(寺地のスタメン抜てきに)「1軍にいるなら試合に出ないと上手にならないので、3番手キャッチャーにならないようにこっちがうまく準備していかなきゃいけない。佐藤がバッティングの調子よければまた変わってくるんですけど、寺地の合いそうなピッチャーを組ませているつもりです」
▼19歳7カ月のロッテ寺地がプロ初本塁打を含む1試合2本塁打。10代の捕手が1試合2本塁打は57年山本八郎(東映)、80年香川伸行(南海)、06年炭谷銀仁朗(西武)に次いで史上4人目となった。ロッテの10代捕手が本塁打を放ったのは57年醍醐猛夫以来、球団68年ぶり2人目。
◆寺地隆成(てらち・りゅうせい)2005年(平17)8月19日、東京都生まれ。小学1年から野球を始め、錦糸中時代は城東ボーイズ所属。3年の2学期から明徳義塾中に転校。明徳義塾では1年春からベンチ入りし、2年夏に甲子園出場(3打数2安打)。3年夏にはU18W杯で日本代表に選出された。23年ドラフト5位でロッテ入団。24年10月3日日本ハム戦でプロ初出場し、初打席で二塁打。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸550万円。