【とっておきメモ】「プリーズ・テルミー・カーボー…」才木浩人「グラスノー直撃取材」の舞台
<とっておきメモ>
<ヤクルト1-5阪神>◇15日◇松山
阪神才木浩人投手(26)が今季3戦目で、初の白星をつかんだ。7回100球を投げて2安打無失点。今季初の無失点投球で、開幕から2戦遠のいた初勝利となった。
◇ ◇ ◇
あの日、阪神才木浩人投手(26)は一瞬のチャンスをうかがっていた。3月16日のドジャース戦。昨季開幕投手も務めたドジャース・グラスノーへの「突撃取材」を狙っていた。
「前の日から話しかけようと思っていました」
前日カブス戦で、試合後に両軍写真撮影があることを確認。通訳には事前に来てもらうよう依頼した。撮影時も“特等席”であるグラスノーの隣をゲットした。チャンスは1、2分しかない。通訳が来るまでのわずかな時間も惜しんで、自前の英語で話しかけた。
「ソーリー、プリーズ・テルミー・カーボー(カーブボール)」
縦に大きく割れるようなグラスノーのカーブ。才木自身、空振りが取れる、決め球で使えるカーブを欲していたところだった。「ああいうカーブを投げたかった。自分のイメージとグラスノーが投げるカーブが一致した感じ。自分のはどちらかというと、緩くてカウントを取る系だから」。
グラスノーも「Oh,OK」と反応。握り方などについて話ができた。これまで才木のカーブは球速110キロ台後半。一方、少し速い新球は120キロ台後半から130キロ台にも及ぶ。球速帯だけでも、投球のバリエーションが広がることは間違い無し。この日も3回に丸山和を中飛に打ち取るなど、決め球などで使用した。鬼に金棒の「グラスノーカーブ」で今季も快投を量産する。【阪神担当 波部俊之介】