【ソフトバンク】上昇気流5連勝 柳田離脱に弟子が2年連続白星呼ぶ 佐藤直樹V打「うれしいっす」
<ロッテ0-8ソフトバンク>◇12日◇ZOZOマリン
V字回復バイ! ソフトバンクが引き分けを挟んで5連勝し、今季初の勝率5割に到達した。2番で起用された佐藤直樹外野手(26)が決勝打を含むプロ初の猛打賞と大暴れ。自主トレの師匠にあたる柳田悠岐外野手(36)が負傷離脱したなかで、19年ドラフト1位の弟子が15安打8得点の打線をけん引した。単独最下位に転落した4日以降は7試合で5勝1敗1分。昨季のパ・リーグ王者が勢いを取り戻してきた。
◇ ◇ ◇
佐藤直がまた、柳田ショックを振り払った。自主トレで師事する師匠が右足の負傷で出場選手登録を抹消された日に、3試合ぶりのスタメン出場。弟子は0-0の3回1死三塁で大仕事だ。先制&決勝の右前適時打。「うれしいっす」と白い歯を見せた。15安打8得点の打線をけん引し、敵地で大勝の口火を切った。
1年前、柳田が右太もも裏を負傷した翌日、佐藤直は育成から支配下登録された。その日は走攻守で躍動。本拠地のお立ち台にも上がった。佐藤直は2年連続で「柳田離脱」という危機を勝利に変えた立役者だ。それでも試合後は「ギータさんの代わりとかはないですね。自分のやれることをやるだけ」と謙虚に語る。
第1打席は中前打、第4打席は左前適時打。今季2度目の先発出場でプロ初の猛打賞の大暴れだ。「めっちゃデカかったですね」と振り返る第1打席の快音で勢いに乗った。23年オフに戦力外通告を受け一度は育成契約となったが、19年ドラフト1位で入団した実力を持つ。「しっかり打つべき球を打てたので良かったです」。安打を欲しがる雑念を取っ払い、夢中でバットを振った。
苦境に立たされていた昨季のパ王者だが、これで引き分けを挟んで5連勝。最大「5」あった借金を完済した。単独最下位に転落した4日以降は7試合で5勝1敗1分とV字回復。柳田、近藤、栗原の不在と敵地での6連戦をものともせず、白星を重ねた。
小久保裕紀監督(53)は「今いるメンバーが最強なんです」とナインを信頼。背番号「9」の後継者にあたる柳田の離脱を受け入れ、頭をフル回転させた。「今いるメンバーを組み合わせてどうやって点を取るかを考える。『あいつが打ったらええなぁ』とか、そういう希望的観測はいらない。それを考えるのが僕の仕事です」と、リーダーはどっしり構えている。小久保ホークスが上昇気流に乗った。【只松憲】