【ソフトバンク】伏兵・野村勇弾で4連勝「久々」 小久保監督「打つと思っていなかったでしょ」
<ロッテ4-5ソフトバンク>◇11日◇ZOZOマリン
ソフトバンクが引き分けを挟んで4連勝を飾り、3位タイに浮上した。4日に単独最下位に転落したが、わずか1週間で今季初のAクラス入り。4番の山川穂高内野手(33)が今季初の1試合2本塁打を放つと、4-4の延長10回には途中出場していた野村勇内野手(28)が決勝アーチを放った。柳田悠岐外野手(36)は右足のスネ付近に自打球を受けて離脱の危機。重苦しい状況で主砲と伏兵がチームを救った。
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2年ぶりの感触だった。野村はロッテ小野の初球スライダーを幕張の夜空にかち上げた。「めっちゃうれしかったっす。久々の感覚。気持ちよかった」。アーチと思わなかった野村は全力でダイヤモンドを一周。白球が左翼席に着弾すると、ベンチも野村も小久保監督も満面の笑みだった。
指揮官が「誰も打つと思っていなかったでしょ」と笑みを浮かべる伏兵弾だ。野村の本塁打は23年以来。プロ1年目の22年は1939年の鶴岡一人が記録して以来、83年ぶりに球団新人最多記録の10本塁打をマーク。逸材が久々の花火を打ち上げた。「初球からどんどん振っていこうと思ったら甘いところに来てくれました」。主に守備要員で出場を続けていた男。この日も9回の三塁守備からグラウンドに立ち、4連勝の立役者になった。
緊急事態だった。右太もも裏の張りから4試合ぶりにスタメン復帰した柳田が6回に、自打球がスネ付近に直撃して途中交代した。近藤、栗原に続いて柳田まで…。険悪ムードで負けていれば「ダブルショック」だっただけに、野村の決勝弾はチームを勇気づけた。4番山川も今季初の1試合2本塁打でお膳立て。1-0の4回に今季3号ソロ、3-3の9回にはこの試合2本目となる一時勝ち越しの4号ソロを放った。「完璧に捉えることができました」。直近5試合で4発目と絶好調。連勝でムードは高まり、柳田の離脱危機をチーム一丸で乗り切っていく。【只松憲】