【欧州CL】アーセナルMFライスの1試合FK2得点はCL史上5人目 決勝トーナメントでは初
<UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL):アーセナル3-0Rマドリード>◇8日(日本時間9日)◇準々決勝第1戦◇ロンドン
アーセナル(イングランド)が前回覇者レアル・マドリード(スペイン)をホームで3-0と粉砕した。
イングランド代表MFデクラン・ライス(26)は、CL史上5人目となる直接FKでの1試合2得点を記録。アルテタ監督もし驚く衝撃的な快勝で、初の欧州制覇に向けて視界が広がった。インテル・ミラノ(イタリア)はアウェーでバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に2-1と競り勝った。両カードの第2戦は16日(日本時間17日)に行われる。
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「兵器工場」に由来するアーセナルで、ライスの右足が火を噴いた。後半13分に中央約23メートルの距離からゴール右隅に蹴り込んだ。続けて同25分、今度はやや左からの約20メートルの距離からゴール右角上を射抜いた。精密機械のような再現性。スピードに乗ったカーブ回転のキックとあって、イングランドが誇る伝説のキッカー、ベッカムの姿が重なる。しかも王者Rマドリードが相手とあって衝撃的な“ダブル”となった。
プロキャリア339試合目にして初めての直接FKでのゴールだ。しかも1試合2得点。これはCL史上、2000年のリバウド(バルセロナ)、09年のロナウド(Rマドリード)、18年のネイマール(パリSG)、23年のツィエク(ガラタサライ)に続く5人目で、決勝トーナメントに限れば初めての偉業となった。
「直接FKはロッカーに入れてあったんだけど、これまで壁にぶつけたり、バーを越えることが多かった。最初はクロスを送ろうと考えたけど、壁とキーパーの位置が見えた。だからやってみようと思った」
アーセナルは2021年9月以降、3年半ほども直接FKでの得点がなかった。アルテタ監督は「今までFKから得点したことがない選手があのクオリティーにあのスケールで2得点。いったいどれほどのオッズ(確率)なんだ?」と目を丸くした。
“ライス(Rice)のおかわり”で本拠地サポーターもおなかいっぱい。笑顔のヒーローは「興奮しているし、数年後には特別な夜になったと実感するだろう」。初の欧州制覇へ「ガナーズ」に大砲が誕生した。