【西武】大量リード許した試合で鳥越裕介ヘッドコーチが見ているもの、求めているものは
<ソフトバンク11-1西武>◇6日◇みずほペイペイドーム
10点差で敗れた。西武のある選手は何も問わずとも「今日は完敗です」とすがすがしいまでに言った。
5回を終え、0-8だった。捕手の古賀、遊撃の源田と守備の要がベンチに下がった。山川の長打に持って行かれた失点の流れも含め、客観的にみれば“敗色濃厚”といえた。
こんな時、6回以降はどう戦うか。首脳陣は何を見て、何を求めているか。
鳥越裕介ヘッドコーチ(53)に尋ねた。6回以降、光って見えたものは。
「あ~、あんまり、そこまでないね。もうちょっと、ほしかったかな」
率直な声だった。では、こういう展開で選手にはどうあってほしいのか。鳥越ヘッドは「うーん…」と言いつつ「いや、でも、比較的、全体的に(やってほしいことを)やろうとしている、というところはあるので」と一定の評価を口にする。そして続ける。
「まぁ、でも、例えばやけど、こちらとしては70点、75点以上は欲しいなというところで60点というか、ちょっとしたものが足りないかなというのはある。だから、ダメではない。結果としてついてこない」
それがこの日の6回表~9回表の総評だ。
昨季は91敗した。点差以上に、明確な力量差を見せつけられた試合も少なくない。仮に試合途中から選手が代わっても「打つ手なし」の試合もあった。
運命的にその「91」を背負う鳥越ヘッドは、そこへの慣れを認めない。まだ強力な選手層ではない。一方的になる試合が時にあるにはしても-。
「今まではそれでOKだったかもしれないけど、そういうところへの俺の要求はちょっと高めなんで。チームとしてさらに上へ行くためには、そういう時の点数を上げましょう。そんな感覚で見てます。だから、いま選手たちがやろうとしていることは、ダメではない」
そう言う。光って見えたものは「そこまでない」としながら「西川とか、牧野が後から言ってそれなりにやったり、っていうくらいかな」と付け加える。
選手たちも大差をつけられれば悔しい。それでもあきらめたら、その試合だけでなく、その先まで響いてしまう。負けグセがついたら変われない。
大差がついた終盤にも安打して猛打賞となった西川愛也外野手(25)は言う。
「何も変わらず、全然変わらず、ですよ。何点差でも1打席は1打席で、僕やチームの成績には変わりないので。僕は僕のバッティングをしようと思ってやっています」
西口文也監督(52)も「長打の差でこれだけ付いたけど、ヒット数はね、うちも2ケタは出てるから」と若手たちの姿勢と、少しずつの成果をしっかり見ている。【金子真仁】