ソフトバンク対西武 5回表1死一、二塁、長谷川を三併殺打に仕留めガッツポーズをする上沢(撮影・梅根麻紀)

<ソフトバンク11-1西武>◇6日◇みずほペイペイドーム

待望の「どすこい弾」で、みずほペイペイドーム6試合目の初勝利だ。

ソフトバンク山川穂高内野手(33)が、初回に西武先発の渡辺から左翼席中段に運ぶ先制2ラン。開幕8試合30打席目の1号を含む3安打5打点と4番が“開花”し、今季最多の12安打&11得点の快勝を呼び込んだ。新加入した上沢直之投手(31)も6回無失点で移籍2戦目で初勝利を挙げ、投打がっちりで連敗も3でストップ。昨季のリーグ王者が最下位からの逆襲に転じる。

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覚悟の日本復帰から約3カ月。ソフトバンクに新加入した上沢直之投手(31=レッドソックス)が新天地で初勝利を挙げた。西武打線相手に6回を6安打無失点。国内勝利は23年10月1日以来、実に553日ぶりだ。25年の本拠地初勝利も呼び込んだ右腕は、お立ち台で表情を緩めた。「早く、本拠地の福岡のみなさんに1勝をお届けできるようにと思って投げました」。鷹党の大歓声を浴び、心地よさそうに汗をぬぐった。

気迫の投球だった。6回1死一、二塁のピンチ。ルーキー渡部聖を初球の直球で狙い通りの遊ゴロ併殺に打ち取ると、グラブを何度もたたき、雄たけびを上げた。「本当に理想的な形だった」。移籍2度目の先発は6回中4イニングで得点圏に走者を背負ったが、熟練の投球術で3併殺。スプリット、2種類のカーブ、スライダーなど多彩な球種で打者を翻弄(ほんろう)した。3者凡退は4回の1イニングだけだったが、三塁を踏ませず粘り切った。

メジャー挑戦の夢破れて1年で帰国。昨オフにレッドソックスを自由契約になると、ホークス入りを決断した。「僕たちは個人事業主で、アマチュアじゃない。結局やるのは自分なので最後に決めるのも自分」。古巣の日本ハムを裏切る形になり、批判的な声も上がった。それでもプロとして、自らの意思を貫いた。

小久保監督は「彼らしい、非常にいいピッチングをしてくれた」と目を細めた。チームは連敗を3で止め、今季本拠地6戦目で待望の初白星をつかんだ。「まだ1勝なので。まだまだこれから」。鷹の背番号10がブレークと最下位からの反攻を期した。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】上沢直之6回無失点で新天地初勝利「まだ1勝なので。まだまだこれから」